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奥野卓司

1 9 5 0 年京都市生まれ。関西学院大学社会学部教授。情報人類学。京都工芸繊維大学大学院修了、米国イリノイ大学人類学部客員準教授、甲南大学文学部教授などをへて、平成9 年から、現職および関西学院大学大学院社会学研究科教授。

著書に『パソコン少年のコスモロジー』『情報人類学』『ポスト・コンピュータの世界』、訳書に『ビル・ゲイツ』『さあ、横になって食べよう−忘れられた生活様式』『ジェスチュア−しぐさの西洋文化』など多数。
e-mail :pdf03320@nifty.com
ホームページ:http://www-soc.kwansei.ac.jp/okuno/


インターネット時代を解くキーワードとは?

インターネット時代を迎える現在、これまで帰属していた会社や家庭から溶けだした人々によって、その中間に新しく、家庭でも会社でもない「第三の社会」が生じている。インターネット・ビジネスの現場での聞き取りや調査を通して、実情や問題点、可能性など、鋭角な視点でこれからのビジネスと社会の方向性を分析する。

●CD-ROM添付

本文関連サイトをすべて収録。

デジタルメディアの最前線にいらっしゃる方々にご協力いただき、メーリングによるディスカッション「メディアのゆくえ」を収録(WINDOWS&MAC対応)


目次

はじめに

 第一章 「第三の社会」の浮上
 1 「第三の社会」の浮上
 2 家の集合体としての農村共同体
 3 家庭と社会が分離した近代社会
 4 家庭で共有された情報がもたらす幸福
 5 家庭と会社の間に浮上する新しい社会
 6 ゆるやかな紐帯の人間関係
 7 個メディアが支える「第三の社会」
 8 移動を触発する「第三の社会」
 9 「第三の社会」解読の社会学的意義

 第二章 「第三の社会」の家庭
 1 二〇世紀のメディアによる社会変容
 2 情報化はヒトという種を変えるか
 3 「家の神」としてのテレビと電話
 4 家庭でのテレビの変化
 5 個メディアになった電話
 6 留守電家庭の増加
 7 携帯電話が誘う家庭からの逸脱
 8 インターネットによって変わる家庭
 9 インターネットを積極的に利用する女性と高齢者
 10 「第三の社会」のネットワーク家族
 第2章 メディア・リテラシーと人間像の転回

 1 メディアの読み書き能力とは?
 2 複合的なメディア・リテラシー
 3 メディア・リテラシー論の系譜
 4 メディア・リテラシー論の根本問題
 5 デジタル情報化とメディア・リテラシーの射程

 第三章「第三の社会」の産業

 1 インターネット・バブルのあとに
 2 「リナックス」が象徴する経済
 3 インターネット・ビジネスの概要
 4 課金と安全性
 5 消費者から交換者へ
 6 ネットを前提にした法整備
 7 家庭の会社化へ
 8 仮想経済の浮上
 9 電子速度の「おあし」

 第四章 「第三の社会」の構造と機能

 1 「進化説」による社会構造の変容
 2 「脱」した工業社会
 3 「第三の波」が生む「第三の社会」
 4 熱帯雨林型社会の予兆
 5 ベンチャー・ビジネスの台頭
 6 新しい起業の風
 7 仕事と遊び

 第五章 「第三の社会」の情報構造

 1 技術を決めるのは社会
 2 インターネット上の攻防――ポータル・サイトとメール・マガジン
 3 マスコミの死んだ日
 4 阪神大震災から生まれた「第三のメディア」
 5 マスコミの脱マスコミ化
 6 クッキーと盗聴法
 7 国民国家と情報化の矛盾

 第六章 地球村とエスニシティ

 1 遺伝子としての宗教性と民族性
 2 産業構造の変容とエスニック・グループ
 3 アメリカ情報産業の中心としてのユダヤ系
 4 情報とともに生きたユダヤ民族
 5 ユダヤ教的世界観としての著作権
 6 イスラエルの情報産業立国
 7 華人と印僑ネットワークの広がり
 8 衛星放送による「地球村」の出現
 9 「文明の衝突」か「地球村」か
 10 昆虫型ネットワークへ
 11 「第三の社会」は個と公共性をつなぐ