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子どもの貧困

日本の不公平を考える

人生のスタート時点での理不尽な「不利」の実態に迫り,世代間連鎖を断ち切るための「子ども対策」を提唱する.

子どもの貧困
著者 阿部 彩
通し番号 新赤版 1157
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 2008/11/20
ISBN 9784004311577
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 268頁
在庫 在庫あり

学力,健康,親との交流.大人になっても続く,人生のスタートラインの「不利」.OECD諸国の中で第2位という日本の貧困の現実を前に,子どもの貧困の定義,測定方法,そして,さまざまな「不利」と貧困の関係を,豊富なデータをもとに検証する.貧困の世代間連鎖を断つために本当に必要な「子ども対策」とは何か.

はじめに

第1章 貧困世帯に育つということ
 1 なぜ貧困であることは問題なのか
 2 貧困の連鎖
 3 貧困世帯で育つということ
 4 政策課題としての子どもの貧困

第2章 子どもの貧困を測る
 1 子どもの貧困の定義
 2 日本の子どもの貧困率は高いのか
 3 貧困なのはどのような子どもか
 4 日本の子どもの貧困の現状

第3章 だれのための政策か──政府の対策を検証する
 1 国際的にお粗末な日本の政策の現状
 2 子ども対策のメニュー
 3 子どもの貧困率の逆転現象
 4 「逆機能」の解消に向けて

第4章 追いつめられる母子世帯の子ども
 1 母子世帯の経済状況
 2 母子世帯における子どもの育ち
 3 母子世帯に対する公的支援──政策は何を行ってきたのか
 4 「母子世帯対策」ではなく「子ども対策」を

第5章 学歴社会と子どもの貧困
 1 学歴社会のなかで
 2 「意識の格差」
 3 義務教育再考
 4 「最低限保障されるべき教育」の実現のために

第6章 子どもにとっての「必需品」を考える
 1 すべての子どもに与えられるべきもの
 2 子どもの剝奪状態
 3 貧相な貧困観

第7章 「子ども対策」に向けて
 1 子どもの幸福を政策課題に
 2 子どもの貧困ゼロ社会への11のステップ
 3 いくつかの処方箋
 4 「少子化対策」ではなく「子ども対策」を

あとがき
主要参考文献
阿部 彩 (あべ あや)
 マサチューセッツ工科大学卒業.タフツ大学フレッチャー法律外交大学院修士号・博士号取得.国際連合,海外経済協力基金,国立社会保障・人口問題研究所を経て,現在は首都大学東京都市教養学部人文・社会系教授.2015年11月,同大にて「子ども・若者貧困研究センター」を立ち上げセンター長となる.『生活保護の経済分析』(共著,東京大学出版会,2008年)にて第51回日経・経済図書文化賞を受賞.
 専門─貧困,社会的排除,社会保障,公的扶助論,社会保障論.
 著書─『子どもの貧困Ⅱ──解決策を考える』(岩波新書)
    『弱者の居場所がない社会──貧困・格差と社会的包摂』(講談社現代新書)
    『経済からみたリスク(リスク学入門2)』『ジェンダー社会科学の可能性 第2巻 承認と包摂へ──労働と生活の保障』(共著,岩波書店)
    『社会的排除/包摂と社会政策』(共著,法律文化社)など.

書評情報

図書館の学校 2017年冬号
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朝日新聞(朝刊) 2009年4月8日
読売新聞(夕刊) 2009年3月18日
週刊東洋経済 2009年2月14日号
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朝日新聞(朝刊) 2009年2月1日
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地方自治職員研修 2009年2月号
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北海道新聞(朝刊) 2009年1月25日
日本経済新聞(朝刊) 2009年1月18日
東京新聞(朝刊) 2009年1月11日
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