岩波新書〈シリーズ 日本古代史〉 2

ヤマト王権

(全6巻)

最初の「天皇」は,はたして誰だったのか.貴重な同時代資料の解読を通じて,謎多き時代に肉迫する.(全6巻)

ヤマト王権
著者 吉村 武彦
通し番号 新赤版 1272
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 日本史
シリーズ 岩波新書〈シリーズ 日本古代史〉
刊行日 2010/11/19
ISBN 9784004312727
Cコード 0221
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 232頁
定価 990円
在庫 在庫あり
日本列島にはじめて成立した統一国家,ヤマト王権.その始まりはいつだったのか.最初の「天皇」は誰なのか.王宮や王墓の変遷は何を物語るのか──.『魏志倭人伝』等の中国の正史や金石文ほか,貴重な同時代資料に残された足跡を徹底的にたどりつつ,ひろく東アジア全域の動きを視野に,多くの謎を残す時代の実像に肉迫する.(全6巻)


■内容紹介

 卑弥呼からワカタケル、そして飛鳥前夜へ
 大好評をいただいている『農耕社会の成立』につづいて、第二巻の登場です。考古学の時代だった第一巻から、いよいよ同時代の文献史料が残る時代へ。邪馬台国から説き起こし、古代史ファンにはおなじみの、ワカタケルや継体天皇が登場、推古天皇誕生前夜までを扱います。
 文献史料が残るとはいえ、手がかりとなる中国の正史や金石文はごくわずか。基本文献となる『日本書紀』や『古事記』は、のちの時代に作成されたものであり、記述をそのまま「事実」として受けとめることはできません。
 それではどうするか。断片的な史料のそれぞれを徹底的に読み込み、パッチワークのようにつなぎ合わせ、ときに発掘される考古資料を援用し、推論と証明をかさねながら、その時代の実像を描き出してゆく─謎解きのスリルに満ちた古代史の醍醐味を、本書では存分に味わっていただけることと思います。
 はたして最初の「天皇」は誰だったのか。王宮や王墓の場所の移動は何を物語るのか。朝鮮半島の諸国とどのような関係をもっていたのか。まだまだ謎の残るヤマト王権の時代像は、読みどころ満載です。
はじめに――奈良人からみた「いにしえ」

第一章 東アジアの倭・倭人・倭国
 1 「楽浪海中倭人あり」―中国からの視線
 2 「魏志倭人伝」と邪馬台国
 3 邪馬台国とはどんな「国」だったか

第二章 ヤマト王権の成立
 1 ヤマト王権のはじまり
 2 初期のヤマト王権
 3 「謎の四世紀」

第三章 東夷の小帝国と倭の五王
 1 朝鮮半島へのまなざし
 2 宋の建国と倭の五王
 3 鉄剣銘文が語るワカタケル
 4 「記・紀」の王宮・王墓からみた五世紀
 5 朝鮮半島から移住してきた技術者集団

第四章 継体天皇の即位と伽耶
 1 新王統の誕生
 2 伽耶の盛衰と百済
 3 継体没後の新天皇
 4 地方の反乱と国造制

第五章 仏教の伝来と蘇我氏
 1 欽明朝の成立と蘇我氏
 2 大伴氏と物部氏
 3 仏教の伝来と受容
 4 崇峻天皇の暗殺

 おわりに――「飛鳥」以前、日本列島の文明化の時代 参考史料
 図版出典一覧
 参考文献
 略年表
 索引
吉村武彦(よしむら・たけひこ)
1945年、朝鮮大邱生まれ。京都・大阪育ち。1968年、東京大学文学部国史学専修課程卒業、同大大学院国史学専攻博士課程中退。現在、明治大学文学部教授。専攻は、日本古代史。
著書─『日本古代の社会と国家』(岩波書店)、『日本社会の誕生―日本の歴史1』(岩波ジュニア新書)、『聖徳太子』(岩波新書)、『日本の歴史3 古代王権の展開』(集英社)、『古代天皇の誕生』(角川選書)、『列島の古代史』(共編著、全8巻、岩波書店)ほか。
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