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川と国土の危機

水害と社会

東日本大震災は,臨海地域の開発に依存してきた近代日本への警告である.治水の歴史を振り返り,国土保全の根本的改革を訴える.

川と国土の危機
著者 高橋 裕
通し番号 新赤版 1387
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 2012/09/20
ISBN 9784004313878
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 202頁
在庫 在庫あり
東日本大震災は,臨海地域の開発に依存してきた近代日本への警告である.無思慮な開発は国土の脆弱性を増し,大洪水の危険は高まっている.防災を行政に依存するあまり自助の意識の薄れた人々は,その可能性すら考えない.水源地の森林から河口の海岸まで,川の流域全体を統一した保全思想と,防災立国の発想が必要だ.
 はじめに

序 章 気候変動と水害

第1章 社会とともに変わる川
 1 日本の治水
 2 水害は社会現象
 3 無思慮な開発
 4 歴史記録に学ぶ

第2章 川にもっと自由を
 1 堤防という文化
 2 信濃川の分水とその後遺症
 3 河床の土砂
 4 河川事業に伴うマイナスの影響

第3章 流域は一つ―水源地域から海岸まで
 1 国土インフラとしての森林と地下水
 2 ダムにより水没する人々
 3 いま平野を水害が襲ったら
 4 海岸の逆襲

第4章 川と国土の未来
 1 文明と災害
 2 ハード対策の限界と新しいソフト対策
 3 災害文化の復活
 4 水害激化に備える国づくり
 5 景観の劣化の意味するもの

 あとがき
 参考文献
高橋 裕(たかはし・ゆたか)
1927年、静岡県に生まれる。1950年、東京大学第二工学部土木工学科卒業。現在、日仏工業技術会会長、東京大学名誉教授。専攻は、河川工学。
 著書に、『国土の変貌と水害』 『都市と水』 『地球の水が危ない』(以上、岩波新書)、『新版 河川工学』(東京大学出版会)、『現代日本土木史』(彰国社)、『川からみた国土論』(鹿島出版会)ほか。

書評情報

土木学会誌 第99巻第4号(2014年4月)
測量 2012年12月号

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