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不可能を可能に

点字の世界を駆けぬける

十代末で失明.その後障がいの有無を越えて,暮らしやすい社会を希望をもって創っていく躍動感あふれるエッセイ.

不可能を可能に
著者 田中 徹二
通し番号 新赤版 1560
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 福祉・医療
刊行日 2015/08/20
ISBN 9784004315605
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 240頁
在庫 在庫僅少
音声デジタル図書のネットワークを創り,ホームの転落防止柵設置に尽力.日用品に点字をつけることや,道路の点字ブロックのありかたにもたずさわる.十代末で光を失った著者は,日本点字図書館での活動を中心に,時には国境を越えて,誰もが暮らしやすい社会をめざしていく.躍動感あふれるエッセイ.
序 章 光を失って
 失明、そして国立東京光明寮へ/入院先で点字を教えてくれた人/失明したあとの仕事/日本点字図書館に出入りするようになって
 点字とコンピュータ

第1章 デジタル化、始まる
 1 日本点字図書館へ、ようこそ
  「知の滝」がお迎えします/図書製作部門/情報サービス部門/盲人用具部門/川崎市視覚障害者情報文化センター
 2 デジタル化の波に乗る
 点字カセットシステム研究会/てんやく広場
 3 デイジー図書の登場
 デイジーの導入/ 「びぶりおネット」の誕生/サピエ図書館/テキスト・デイジーとマルチメディア・デイジー
 視覚障害者用図書情報提供ネットワーク

第2章 日本点字図書館の軌跡
 1 創立者本間一夫さん
 本間さんとの出会い/日本点字図書館の誕生/本間さんから学んだこと/お別れ会/副館長、直居鉄さんのこと
 2 日本点字図書館での日々
 建物の新築/ハチドリが落とした一滴の水/チャリティコンサートの実績/日点カルチャー講座
 ラジオとの出会い──NHKの『盲人の時間』

第3章 点字大好き人間の使命
 1 点字でつながる
 日本点字委員会の結成/ルイ・ブライユの故郷を訪ねて/点字改革に取り組む世界の人々
 2 点字で発信する──投票、教育、音楽
 視覚障害者の点字投票/中国の点字出版所を訪ねて/教科書と点字/デジタル教科書の先駆け/点字楽譜
 出版との出会い──『点字ジャーナル』、そして辞典の編集へ

第4章 恐ろしいホームからの転落
 1 日本のホームで
 上野孝司さんの事故/多い転落経験者/田中一郎さんが遺したもの
 2 ドイツの場合
 アンゲリーカさんが死んだ!/感覚の違いか

第5章 バリアフリーをめざして
 1 移動するために
 南北線の快挙/劣悪な道路環境/点字ブロック/歩行補助器も頼れない/音響信号機
 2 アクセシブルデザイン
 ガイドラインやJIS、ISO規格をつくる/交通のガイドライン/高齢者と障害者

第6章 国境を越えて
 1 国際協力事業を始める
 丸山一郎さんとの出会い/ネパールへ/グエン・バン・ホンさんのこと
 2 アジアでのパソコン指導
 コンピュータ点字製作技術指導の講習会/池田輝子ICT事業/日本への留学生、海外への留学生

おわりに
表1 本間一夫文化賞一覧
表2 チャリティコンサート一覧
田中徹二 (たなかてつじ)
 1934年生まれ。1953年4月に早稲田大学第一理工学部建築科に入学。その後、失明し、1955年4月に国立東京光明寮に入所。あん摩、はり、きゅうを学ぶ。
 1956年4月、早稲田大学第二文学部英文科に転学部転科。1958年3月に国立東京光明寮を卒業。1960年3月に早稲田大学第二文学部卒業。1960年9月から社会保険埼玉中央病院整形外科機能訓練室、そして、1969年4月から東京都心身障害者福祉センター視覚障害科に勤務。
 1991年4月から社会福祉法人日本点字図書館に勤務し、館長を経て、現在、日本点字図書館理事長。

書評情報

読売新聞(朝刊) 2015年11月15日
週刊ポスト 2015年10月9日号
朝日新聞(朝刊) 2015年9月25日
インクル 第98号(2015年9月)
東京新聞(朝刊) 2015年9月13日
日本経済新聞(朝刊) 2015年9月13日

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