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2019.05.21
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村上春樹は,むずかしい
つねに時代と対峙しながら作品を産み出してきた,本当の村上春樹にはじめて出会える画期的な村上論.
はたして村上文学は,大衆的な人気に支えられる文学にとどまるものなのか.文学的達成があるとすれば,その真価とはなにか――.「わかりにくい」村上春樹,「むずかしい」村上春樹,誰にも理解されていない村上春樹の文学像について,全作品を詳細に読み解いてきた著者ならではの視座から,その核心を提示する.
はじめに 野球帽をかぶった文学?
第1部 否定性のゆくえ 1979─87年
Ⅰ 否定性と悲哀──『風の歌を聴け』の画期性
1 肯定性の肯定──「気分が良くて何が悪い?」
2 「新しい天使」と風の歌
Ⅱ 戦う小説家──初期
3 中国へのまなざし──「中国行きのスロウ・ボート」
4 貧しい人々と小さな隣人──「貧乏な叔母さんの話」
5 「内ゲバ」の死者への関心──「ニューヨーク炭鉱の悲劇」
Ⅲ 個の世界──前期
6 ポストモダン社会と抵抗──「パン屋襲撃」と「パン屋再襲撃」
7 否定性から内閉性へ──『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と「ファミリー・アフェア」
第2部 磁石のきかない世界で 1987─99年
Ⅳ 対の世界──中期
8 恋愛小説の誕生──『ノルウェイの森』
9 『ねじまき鳥クロニクル』の歴史記述
Ⅴ 時代とのせめぎあい──転換期
10 一九九五年の態度変更──「めくらやなぎと、眠る女」
11 村上春樹、武装解除される──『アンダーグラウンド』
第3部 闇の奥へ 1999─2010年
Ⅵ 父と子の基軸──後期
12 もっと小さく、もっと遠く。──『スプートニクの恋人』と『神の子どもたちはみな踊る』
13 換喩と異界と「全体的な喩」──『海辺のカフカ』と『アフターダーク』
14 まだ書き終えられていないこと──『1Q84』
終りに 「大きな主題」と「小さな主題」──三・一一以後の展開
あとがき
第1部 否定性のゆくえ 1979─87年
Ⅰ 否定性と悲哀──『風の歌を聴け』の画期性
1 肯定性の肯定──「気分が良くて何が悪い?」
2 「新しい天使」と風の歌
Ⅱ 戦う小説家──初期
3 中国へのまなざし──「中国行きのスロウ・ボート」
4 貧しい人々と小さな隣人──「貧乏な叔母さんの話」
5 「内ゲバ」の死者への関心──「ニューヨーク炭鉱の悲劇」
Ⅲ 個の世界──前期
6 ポストモダン社会と抵抗──「パン屋襲撃」と「パン屋再襲撃」
7 否定性から内閉性へ──『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と「ファミリー・アフェア」
第2部 磁石のきかない世界で 1987─99年
Ⅳ 対の世界──中期
8 恋愛小説の誕生──『ノルウェイの森』
9 『ねじまき鳥クロニクル』の歴史記述
Ⅴ 時代とのせめぎあい──転換期
10 一九九五年の態度変更──「めくらやなぎと、眠る女」
11 村上春樹、武装解除される──『アンダーグラウンド』
第3部 闇の奥へ 1999─2010年
Ⅵ 父と子の基軸──後期
12 もっと小さく、もっと遠く。──『スプートニクの恋人』と『神の子どもたちはみな踊る』
13 換喩と異界と「全体的な喩」──『海辺のカフカ』と『アフターダーク』
14 まだ書き終えられていないこと──『1Q84』
終りに 「大きな主題」と「小さな主題」──三・一一以後の展開
あとがき
加藤典洋 (かとうのりひろ)
1948年山形県生まれ.東京大学文学部仏文科卒業.
現在,文芸評論家,早稲田大学名誉教授.
著書─『言語表現法講義』(岩波書店,第10回新潮学芸賞)
『敗戦後論』(ちくま学芸文庫,第9回伊藤整文学賞)
『小説の未来』『テクストから遠く離れて』(朝日新聞社/講談社,両著で第7回桑原武夫学芸賞)
『僕が批評家になったわけ』(岩波書店)
『さようなら,ゴジラたち──戦後から遠く離れて』(岩波書店)
『3.11 死に神に突き飛ばされる』(岩波書店)
『ふたつの講演 戦後思想の射程について』(岩波書店)
『吉本隆明がぼくたちに遺したもの』(岩波書店,共著)
『人類が永遠に続くのではないとしたら』(新潮社)
『戦後入門』(ちくま新書)など,多数.
1948年山形県生まれ.東京大学文学部仏文科卒業.
現在,文芸評論家,早稲田大学名誉教授.
著書─『言語表現法講義』(岩波書店,第10回新潮学芸賞)
『敗戦後論』(ちくま学芸文庫,第9回伊藤整文学賞)
『小説の未来』『テクストから遠く離れて』(朝日新聞社/講談社,両著で第7回桑原武夫学芸賞)
『僕が批評家になったわけ』(岩波書店)
『さようなら,ゴジラたち──戦後から遠く離れて』(岩波書店)
『3.11 死に神に突き飛ばされる』(岩波書店)
『ふたつの講演 戦後思想の射程について』(岩波書店)
『吉本隆明がぼくたちに遺したもの』(岩波書店,共著)
『人類が永遠に続くのではないとしたら』(新潮社)
『戦後入門』(ちくま新書)など,多数.
書評情報
東京新聞(夕刊) 2019年7月2日
しんくみ(全国信用組合中央協会) 2017年2月号
しんくみ(全国信用組合中央協会) 2017年2月号