ハンドブック 集団的自衛権

争点に上がっている「集団的自衛権」の意味と,その解釈変更がもたらすものを,丁寧に解説

ハンドブック 集団的自衛権
著者 浦田 一郎 , 前田 哲男 , 半田 滋
通し番号 870
ジャンル 書籍 > 岩波ブックレット > 政治
日本十進分類 > 社会科学
刊行日 2013/05/09
ISBN 9784002708706
Cコード 0336
体裁 A5 ・ 並製 ・ 64頁
在庫 品切れ
安倍首相が執念を燃やす「集団的自衛権」の解釈変更.この「集団的自衛権」とは何か? なぜ歴代政権は,この行使を「憲法上許されない」と解釈してきたのか? そしてこの解釈変更は,私たちに何をもたらすのか? 憲法学者,ジャーナリストが,丁寧に解説.阪田雅裕・元内閣法制局長官の2007年「世界」でのインタビューを再録.


■編集部からのメッセージ
 「集団的自衛権」とは,「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を,自国が直接攻撃されていないにもかかわらず,実力をもって阻止できる権利」とされますが,日本においては,「憲法9条のもとで許容される実力の行使の範囲を超えるものであり,許されない」(2012年版防衛白書)と長く解釈されてきました.
 安倍首相は,前回第一次内閣のときから,この解釈を変えて,日本が行使できるようにしようと執念を燃やしてきました.しかし,憲法の制約を,内閣が解釈を変えるだけで変更することなど,できるのでしょうか? していいものでしょうか? そしてこの解釈変更がもたらすものは何でしょうか? 憲法学者,ジャーナリストが,これらの問いに易しく答えます.
 阪田雅裕・元内閣法制局長官の2007年の発言を再録.
1 集団的自衛権とは何か――憲法との関係を中心に  浦田一郎

2 戦後どのような議論を経てきたか  前田哲男

3 「集団的自衛権」行使容認で何が起こるか  半田 滋

4 集団的自衛権の行使はなぜ許されないのか――阪田雅裕・元内閣法制局長官インタビュー

本書に関連する条文
浦田一郎(うらた・いちろう)
憲法学者.明治大学教授.1946年生まれ.一橋大学法学部卒業,同大大学院博士課程中退.民主主義科学者協会法律部会理事長などを務める.『自衛力論の論理と歴史』(日本評論社),『現代の平和主義と立憲主義』(日本評論社)など.

前田哲男(まえだ・てつお)
ジャーナリスト.軍事評論家.1938年生まれ.『PKO――その創造的可能性』(岩波ブックレット),『有事法制――何がめざされているか』(同).編著に,『自衛隊 変容のゆくえ』(岩波新書)など.

半田 滋(はんだ・しげる)
東京新聞論説兼編集委員.1955年生まれ.下野新聞社を経て1991年中日新聞社入社.防衛記者として活躍,『世界』他の雑誌に論文,著作多数.『3.11後の自衛隊』(岩波ブックレット)など.

書評情報

東京新聞(朝刊) 2014年9月21日
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