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エビと日本人

エビと日本人
著者 村井 吉敬
通し番号 新赤版 20
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 1988/04/20
ISBN 9784004300205
Cコード 0262
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 232頁
在庫 在庫あり
エビフライ,天ぷらなど,一人平均で年に七○匹.世界一のエビ消費国・日本は,その九割を輸入に頼っており,エビはいまや輸入食品の中でも首位の座にある.だが,一体どこでどのように獲られているのか.インドネシアでトロール船に乗り,台湾で養殖の実情を見るなど調査を重ねてきた著者が,日本とアジアとの知られざる関係を語る.
 プロローグ──なぜエビか?
   バナナとエビ
   なぜエビをとりあげるか?
   歩く・見る・議論する

1 エビを獲る人びと──トロール漁の現場──
   真珠とエビ──インドネシアの海で
   「海の銀座」
   雑魚はスコップで海へ
   「トロール? 困ったもんだ」
   漁民と日系企業
   ナマコからエビへ──オーストラリアで
   エビ・タウンの前途は?
   撤退するエビ開拓者ニッポン
   「養殖に食われる」

2 エビという生き物──生態・種類・獲られ方──
   マングローブ林を歩いてみた
   クルマエビ属の生活史
   エビの種類──私たちが食べているのは?
   さまざまなエビ漁法
   日本のエビ漁

3 エビを育てる人びと──養殖をインドネシア・台湾に見る──
   南スラウェシは〝エビ・ブーム〟
   養殖漁民ラトンコさんの場合
   村で進む商品経済化
   集買人アリフィンさんに聞く
   稚エビ漁民からエビ成金まで
   許さんの養殖池──台湾のブラック・タイガー
   「エビに翻弄される」──廖さんは語る
   「クルマエビを安く食膳に」──藤永元作の夢
   ブラック・タイガー養殖の成功

4 エビを加工する人びと──調味料づくり・殻剝き・箱詰め──
   調味料トゥラシをつくる女性たち
   「エビは寒い」──〝熱帯の南極〟で
   日系冷凍工場の内側
   サイズの国際規格
   女工さんたちの賃金
   日本へ──開発輸入と買付け輸入

5 エビを売る人、食べる人──この四半世紀に何が起きたか?──
   デパートの食料品売場で
   なぜ祝宴に?──エビ食の昔と今
   エビフライ・天ぷら・チリソース…
   自由化の後に──輸入急増の背景
   コールドチェーンと冷凍食品の普及
   商社・食品業界・スーパーの戦略
   流通ルートはどうなっているか?
   「南」は獲る人、「北」は食べる人
   輸入食料品のトップに
   第三世界との関係はこれでよいのか?

 エピローグ
   「現場」情報を消費者に
   エビ輸入と第三世界
   顔のみえる関係を

 あとがき
村井吉敬(むらいよしのり)
 1943–2013年
 千葉県市川市生まれ.1966年早稲田大学政経学部卒業.インドネシア・パジャジャラン大学留学.上智大学教授を経て早稲田大学教授を務める.
 専攻─社会経済学 インドネシア研究
 著書─『エビと日本人Ⅱ』(岩波新書)
    『インドネシア・スンダ世界で暮らす』(岩波現代文庫)
    『パプア 森と海と人びと』(めこん)
    『ぼくが歩いた東南アジア──島と海と森と』(コモンズ)
    『グローバル化とわたしたち──国境を越えるモノ・カネ・ヒト』(岩崎書店)
    『サシとアジアと海世界──環境を守る知恵とシステム』(コモンズ)
    『スラウェシの海辺から──もうひとつのアジア・太平洋』(同文館)
    『小さな民からの発想──顔のない豊かさを問う』(時事通信社)
    『スンダ生活誌──変動のインドネシア社会』(日本放送出版協会)

書評情報

書評空間 2013年9月10日掲載
読売新聞(朝刊) 2013年4月7日
毎日新聞(夕刊) 2008年10月16日
読売新聞(夕刊) 2008年10月8日

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