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科学の目 科学のこころ

クローン羊の誕生など多彩な話題をとりあげながら現代に必要な科学的教養のあり方を考えるエッセイ集.

科学の目 科学のこころ
著者 長谷川 眞理子
通し番号 新赤版 623
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 自然科学
刊行日 1999/07/19
ISBN 9784004306238
Cコード 0240
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 222頁
在庫 品切れ

膨大な量の科学的知識よりも,むしろ科学の基本にある考え方や意味についての確かな理解こそ,現代社会の私たちにとっては大切なことだろう.根っからの理科系でも文化系でもないと自称する生物学者が,クローン羊の誕生,ムシの子育て,イギリスでの見聞など,多彩な話題をおりまぜながら,科学と人間と社会について考えるエッセイ集.

はじめに──「この先はなし」から「さらに先へ」

Ⅰ 生物の不思議をさぐる

ムシの妊娠、ムシの子育て

コンコルドの誤り

ハンディキャップの原理

対称性と美的感覚

抽象化された「生物」は存在するか?

進化的軍拡競争

朝三暮四

ウサギはサルの親戚?

Ⅱ 科学・人間・社会

二つの「文化」のあいだの深い溝

サイエンティフィック・リテラシー

薬害エイズ問題と科学者の倫理

生殖技術と「親子」の種類

ハロー、ドリー!

人間の多面的理解に向けて

脳が脳の働きを理解する

科学者と科学哲学者との対話

自然史の復活

誤訳・翻訳・学術用語

HAL、R2‐D2からアンドロイドへ

Ⅲ 科学史の舞台裏

巨人の肩の上で

「エオヒッパス」にまたがる「エオホモ」

デカルトの誤りとデカルトの慧眼

フェルメールとレーウェンフック

恐竜のロマン

ピルトダウンのいかさま

ダーウィン紀行

Ⅳ ケンブリッジのキャンパスから

地球にはどれだけの人間が住めるか?

手紙と会話

ワインとシュニッツェルと国際学会

ミツバチの労働

社会的構築としてのアヒル

日本の大学という職場

女性研究者はなぜ数が少ないか?

言語進化の学際的研究

建築物の自然観

牧場の地面に降りた虹
  不思議な虹はこうしてできた(寄川弘玄・村松伸二)

ニュートンのネコ

おわりに──天使になろうとして野獣になる

あとがき

長谷川眞理子 (はせがわまりこ)
 1952年東京都に生まれる
 1983年東京大学大学院理学系研究科博士課程
 単位取得退学,理学博士
 専攻─行動生態学
 現在─総合研究大学院大学教授
 著書─『進化とはなんだろうか』(岩波ジュニア新書)
    『クジャクの雄はなぜ美しい?』(紀伊國屋書店)
    『オスとメス=性の不思議』(講談社)ほか
 訳書─ヘレナ・クローニン『性選択と利他行動』(工作舎)ほか
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