電子書籍対応

原発事故はなぜくりかえすのか

原発事故はなぜ繰り返されるのか? 生涯をかけて原発問題に取り組み,ガンとの闘いの末に逝った市民科学者の最後のメッセージ.

原発事故はなぜくりかえすのか
著者 高木 仁三郎
通し番号 新赤版 703
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 2000/12/20
ISBN 9784004307037
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 194頁
在庫 在庫僅少
日本中を震撼させたJCO臨界事故から1年….原子力施設の事故はなぜ繰り返されるのか? 国の政策や原子力産業の問題を問い直し,安全性の考え方,これからの技術と人間のあり方を語る.生涯をかけて原発問題に取り組み,ガンで逝った市民科学者・高木仁三郎が,壮絶な闘病生活のなかで最後に残したメッセージ.
はじめに
 臨界事故/青い閃光/八月六日/峠三吉の詩/饒舌な報告書

1 議論なし、批判なし、思想なし
 安全神話の崩壊/安全文化/原子力文化/安全第一/自己点検のなさ/原子力産業の状況/さまざまな用途の研究/相互批判なし/議論なし、思想なし/原子力の導入の歴史/原子力村の形成/奇妙なブーム/ある経験

2 押しつけられた運命共同体
 国家まかせ/大事故の評価/トップダウン型の開発/サッカーにたとえると/ 「三ない主義」/ 「我が国」という発想/マイ・カントリー

3 放射能を知らない原子力屋さん
 バケツにウランの衝撃/物理屋さんと化学屋さん/放射化学屋の感覚/物理屋さんの感覚/自分の手で扱う/放射能は計算したより漏れ易い/事故調査委員会も化学抜き

4 個人の中に見る「公」のなさ
 パブリックな「私」/普遍性と没主体性/公益性と普遍性/仏師の公共性/技術の基本/原子力は特殊?/科学技術庁のいう公益性

5 自己検証のなさ
 自己検証のない原子力産業/自己に対する甘さ/自己検証型と防衛型/委員会への誘われ方/結論を内包した委員会/アカウンタビリティー/寄せ集め技術の危険性

6 隠蔽から改ざんへ
 隠蔽の時代/質的転換/技術にあってはならない改ざん/技術者なし

7 技術者像の変貌
 物の確かな感触/ヴァーチャルな世界/倫理的なバリアの欠如/新しい時代の技術者倫理綱領

8 技術の向かうべきところ
 トーンを変えた政府/JCOの事故の意味/技術の極致/現代技術の非武装化

あとがきにかえて
 友へ  高木仁三郎からの最後のメッセージ/高木さんを送る

高木仁三郎・年譜
高木仁三郎 (たかぎじんざぶろう)
 1938年─2000年
 1961年東京大学理学部卒業.
 日本原子力事業,東京大学原子核研究所,東京都立大学などを経て,1975年に原子力資料情報室の設立に参加し,87年から98年まで代表を務める.1997年ライト・ライブリフッド賞受賞.
 著書─『プルトニウムの恐怖』
    『プルトニウムの未来』
    『市民科学者として生きる』(以上,岩波新書)
    『新版 単位の小事典』
    『新版 元素の小事典』(以上,岩波ジュニア新書)
    『いま自然をどうみるか』(白水社)
    『宮澤賢治をめぐる冒険』(社会思想社)
    『市民の科学をめざして』(朝日選書)
    『原子力神話からの解放』(カッパブックス)
    『証言』(七つ森書館)
    『鳥たちの舞うとき』(工作舎) など

書評情報

週刊金曜日 2015年9月18日号
福島民報 2012年3月10日
新潟日報(朝刊) 2012年2月4日
日刊ゲンダイ 2011年9月2日
毎日新聞(夕刊) 2011年8月17日
朝日新聞(朝刊) 2011年7月10日
河北新報(朝刊) 2011年7月4日
朝日新聞(朝刊) 2011年6月22日
日刊ゲンダイ 2011年6月2日
東京新聞(朝刊) 2011年5月31日
毎日新聞(夕刊) 2011年5月17日
京都新聞(朝刊) 2011年5月8日
山陽新聞(朝刊) 2011年5月2日
東京新聞(朝刊) 2011年5月1日

電子書籍

価格は各電子書籍書店にてご確認ください

ページトップへ戻る