武士の日本史

武士発生の契機,戦場の実際,「武士道」の登場──歴史学の最新の成果をもとに描く「武国・日本」の実像.

武士の日本史
著者 髙橋 昌明
通し番号 新赤版 1718
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 日本史
刊行日 2018/05/22
ISBN 9784004317180
Cコード 0221
体裁 新書 ・ 286頁
定価 1,034円
在庫 在庫あり
「武士は農村ではなく都で生まれた」「刀は武士の魂ではない」「戦場の馬はすべてポニー」「長篠合戦の大嘘」「主君は替えて当たり前」「武士が消えて武士道が生まれた」――果たして日本は「武士の国」なのか? 長年武士研究を牽引してきた著者が,歴史学の最新の成果をもとに数々の「常識」を検証,実像に迫る.
序――時代劇の主役たち

第一章 武士とはなんだろうか――発生史的に
 1 武士という芸能人
 2 武士の発生史
 3 武士たちの系譜とその展開
 4 武力の暴走

第二章 中世の武士と近世の武士
 1 平安末期の内乱と幕府
 2 国家守護を担うもの
 3 室町・戦国時代の武家と武士
 4 豊臣政権から幕藩体制へ

第三章 武器と戦闘
 1 中世前期の戦闘の様相
 2 刀にかんするあれこれ
 3 鑓と鉄炮と城――戦国の合戦から
 4 実戦の体験と泰平の武士

第四章 「武士道」をめぐって――武士の精神史
 1 古代・中世における武士の素顔
 2 治者としての倫理学
 3 『葉隠』武士道について
 4 東アジア世界からみた武士の思想と切腹

第五章 近代日本に生まれた「武士」――増殖する虚像
 1 武士が軍制改革の邪魔になる
 2 士族の政権としての明治政権
 3 『日本戦史』の編さん
 4 近代武士道の登場
 5 武道・武士道・やまとだましい

終 章 日本は「武国」か
 1 武国意識の成立
 2 魔よけとしての武,行財政マンとしての武士
 3 「勇敢さ」と人命の浪費

文献一覧
あとがき
髙橋昌明(たかはし まさあき)
1945年高知市に生まれる
1969年同志社大学大学院文学研究科修士課程修了
 滋賀大学教育学部教授,神戸大学大学院人文学研究科教授を経て
現在―神戸大学名誉教授 博士(文学,大阪大学,2002年)
専攻―日本中世史
著書―『武士の成立 武士像の創出』(東京大学出版会),『平清盛 福原の夢』(講談社選書メチエ),『平家の群像物語から史実へ』(岩波新書),『[増補改訂]清盛以前――伊勢平氏の興隆』(平凡社ライブラリー),『平家と六波羅幕府』(東京大学出版会),『京都〈千年の都〉の歴史』(岩波新書),『洛中洛外京は“花の都”か』(文理閣),『東アジア武人政権の比較史的研究』(校倉書房)

書評情報

読売新聞(夕刊) 2019年5月20日
静岡新聞 2018年10月7日
歴史地理教育 2018年10月号
河北新報 2018年7月15日
愛媛新聞 2018年7月8日
信濃毎日新聞 2018年7月8日
山梨日日新聞 2018年7月8日
沖縄タイムス 2018年7月7日
秋田魁新報 2018年7月1日
西日本新聞 2018年6月30日
西日本新聞(夕刊) 2018年6月20日
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