止まった刻 検証・大川小事故

津波で児童70人が死亡,4人が行方不明,教職員10人が犠牲となった石巻市大川小学校.そのとき何が?

止まった刻 検証・大川小事故
著者 河北新報社報道部
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2019/07/05
ISBN 9784000613484
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 228頁
定価 1,870円
在庫 在庫あり
東日本大震災の津波により,児童70人が死亡,4人が行方不明,教職員10人が犠牲となった石巻市大川小学校.我が子を失った親たちの時計の針は止まったままだ.その時,実際に何が,どのように? 安全なはずの学校で,なぜ? 悲劇を悲劇で終わらせず,未来の命を救うには? 新聞協会賞受賞の連載が書籍になった.
プロローグ 葛藤――生存教諭の3・11
 食い違う証言/「山さ行け」/波頭を目撃/証言メモを廃棄した市教委/教え子の訴え「苦しまないで」


第1章 そのとき,何が
 1 激 震――14時46分から15時10分まで
  奔走する教職員/点呼のあとに/北上川の異変を察知できず/2日前も協議された「裏山への避難」/児童引き渡し規則は…/「帰れるかな」
 2 迷 い――15時10分から15時25分まで
  待機するバス運転手/校長不在のもとで/避難か待機か/「浸水想定外」という油断?/松林に水煙
 3 緊 迫――15時25分から津波襲来まで
  「避難」を叫ぶ広報車/空のバス/三角地帯行きを教頭らが決断/児童は駆け足に/激流
 4 漆 黒
  あらゆる物体が交じる黒い塊/氷点下1・4度の夜の裏山で/
  【コラム】「津波襲来7分前」――地裁判決から読み解く/ 【コラム】上に,上に――当時中学1年の男性の証言/【コラム】最短ルートと誤解か
 5 地 獄
  惨状/捜索/思い出の道を/骨になる前に/ご飯とみそ汁,おかず2品/娘と再会 願いかなわず 
 ○資料 あの日50分間に何が


第2章 真相は,どこに
 1 追 及――遺族たちの年月
  打ち切られた説明会/晴れぬ疑問――混迷の序章/市教委の相次ぐ不手際/第三者委員会発足――深刻なずれ/調査の「限界」/何に勝ったのか/「備え」を焦点に再び審判へ/
  【コラム】母たちの7年――控訴審判決を前に/和解を選ばなかった原告遺族/【コラム】検証の実情と課題――専門家2氏の考え/【コラム】検証委資料,取扱いの不透明さ
 2 教 訓――控訴審判決は何を問うたか
  「事前防災に過失」/控訴審 判決要旨/「やっとスタート」/佐藤美広,とも子さん夫妻――健太はいつも心の中に
  【コラム】学校の安全 最善の道へ――教育専門家の見方/
  学校と命/「バットの森」/津波予見を高裁は宮城県沖地震で判断した――判決解釈に広がる誤解/石巻市議会は僅差で「上告」を可決/上告理由に残る疑問/発言変遷 揺れる知事/原告団長・今野浩行さんの受けとめ/
  【コラム】最高裁受理は狭き門――弁論があれば判決見直しも

 3 波 紋――学校の事前防災
  川沿いの学校は対策が急務/「事前防災」の意味/指針と訓練――判断力の支え/想定を過信せず/脱「学校任せ」――教委の手探り/地域と学校の相乗効果/ コラム被災地 宮城教育大学の取り組み――村松隆学長に聞く


第3章 災害列島の学校で,いま
 1 明 暗――何が生死を分けるのか
  被災3県沿岸小中学校へのアンケート調査/東南海7県沿岸小学校へのアンケート調査/間一髪,山へ/指針の不備/津波訓練なし,手探りの避難/管理職の役割/住民の危機感が学校を動かす
 2 模 索――東南海の学校と教育委員会
  34メートルという衝撃――より早く高く/「犠牲者ゼロ」教育/「防災日本一」の学校/屋上の29本の「命綱」

 エピローグ 「未来をひらく」ために
  どうすれば伝わるだろう/垣根越え,向き合う場を――元教員の遺族として/
  【コラム】ネットにあふれる児童遺族への中傷/【コラム】校舎保存へ/「奇跡」の先へ生きていく


あとがき


 ○資料 東北・東南海沿岸部 学校アンケート

書評情報

日本教育新聞 2019年9月16日
静岡新聞 2019年9月15日(評者:鎌田 慧さん)
読売新聞(朝刊) 2019年9月8日(評者:篠田英朗さん)
熊本日日新聞 2019年9月1日(評者:土方正志さん)
週刊文春 2019年8月29日号
信濃毎日新聞 2019年8月4日
河北新報社 2019年7月28日(評者:柳田邦男さん)

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