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1913年岩波茂雄が,5人の店員とともに店をおこしてから100年が経ちました.創業者が最初に投じた一滴は,人々の支援を受け川をなし,さらに多くの読者に励まされて水量を増し,今日に流れ至っています.
21世紀も10年以上が過ぎ,知の世界は電子書籍の登場によって,グーテンベルク以来の革命が起きているといわれます.しかし,活字の役割がなくなることはありません.物事を筋道立てて理解し,問題を深く的確にとらえる――このようないわば科学的思考にとって,書物はもっとも強力な武器になります.ねばり強い思索力を身につけ,豊かな感受性を育てるためには,活字は不可欠です.
今日,日本社会のみならず,地球と人類の未来をめぐって,問題群が山積しています.私たちが向き合っている時代状況をどうとらえるのか,私たちの感性と姿勢が問われています.
岩波書店は創業以来,学術研究を中心に思想・文学・科学・芸術などのすぐれた成果を世に伝えてきました.そして現在,その役割はますます大きくなっていると自覚しています.言葉を研ぎ澄ますことがいまほど必要な時代はありません.すぐれた知的財産を次の世代へ手渡していこうではありませんか. |