編集部だより 


小人の冒険シリーズ




児童書目録



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【1月25日発売】
 

灰色の地平線のかなたに
ルータ・セペティス 作/野沢佳織 訳
 
     

 「シベリアに追放された人間にとって、結果はふたつしかない。成功とは、生き延びること。失敗とは、死ぬこと。私は生きたい」

 大学教授を父に持つ15歳の少女リナは、画家になることを夢見て、リトアニアで幸せに暮らしていました。1941年6月のある晩、突然ソ連の秘密警察が乱暴に家に踏み込んできます。「20分でしたくしろ!」それは、シベリアの強制労働収容所への長い旅の始まりでした。

 母親と弟とともに連れてこられた極寒の地で、過酷な労働と飢え、仲間の死に耐えながら、リナはどこか遠くの収容所にいる大好きな父親のため、そして、いつか自由になれる日を信じて、日々の記録として絵を描きためていきます。収容所の仲間の一人、アンドリュスとは、しだいにあわい恋心を抱くようになるのですが、リナたちが別の収容所に移送されることに。アンドリュスはリナに約束します。「いつかリトアニアに戻ろう。必ずきみを見つける」と。

 祖父がリトアニア軍将校だったという作者は、なんとアメリカの第一線で活躍する音楽プロデューサー。シベリアの収容所からの生還者に直接取材をして生み出されたこの作品は、重厚さとエンターテイメント性を兼ね備え、世界十数カ国で読まれています。

 不幸な時代を懸命に生き抜いたリナたちの人間の真の強さとは、尊厳とは何かを問いかける作品です。

     
●中学生から
 

 
 
【11月18日発売】
 


賢者ナータンと子どもたち
ミリヤム・プレスラー 作/森川弘子 訳
 
     

 1192年、エルサレム──  十字軍との死闘の末、聖地を手に入れたイスラムの名主サラディンは、捕虜にしたテンプル騎士団のうち、ただ一人青年騎士の命を助けた。そして、青年騎士はユダヤの商人ナータンの一人娘、レーハの命を救う。一つの行いをきっかけにつながっていく人々。キリスト教徒である青年騎士とユダヤの少女レーハはためらいながらも惹かれあい、イスラムの名主サラディンとユダヤ商人ナータンが親交を深めるなか、得体の知れぬ大きな陰謀がかれらをのみこんでゆく……。

 宗教を超える愛、理性と寛容をテーマにした18世紀の名作戯曲『賢者ナータン』を現代版にリメイク。青年騎士、レーハはもちろん、レーハの養育係ダーヤ、サラディンの妹シター、托鉢修道士アル・ハーフィなど、魅力あふれる登場人物たちのモノローグで綴られた、いまなお新しい、壮大な愛の物語です。

◆著訳者略歴◆

作者:ミリヤム・プレスラー(Mirjam Pressler)

  作家、翻訳家。1940年ドイツ生まれ。フランクフルトの芸術大学で造形を、ミュンヘンで語学を学んだ後、一年間イスラエルのキブツで働く。帰国後、さまざまな職業を経て、『ビターチョコレート』(さ・え・ら書房)、『マルカの長い旅』(徳間書店)など、話題作を送り出しながら、英語、オランダ語、ヘブライ語の翻訳者としても高い評価を得ている。2010年ドイツ児童文学賞特別賞(作家賞)受賞。

訳者:森川弘子(もりかわひろこ)
  翻訳家。訳書にシュタインへーフェル『リーコとオスカーともっと深い影』 『リーコとオスカーとつぶれそうな心臓たち』(以上、岩波書店)、プルードラ『ズンデヴィト岬へ』 『ちびポップの決断』『グステルとタップと仲間たち』 『シェリフ・テディ』、クリュス『笑いを売った少年』 『ロブスター岩礁の燈台』 『涙を売られた少女』(以上、未知谷)

     
     
     
●中学生から
 

 
 
【11月9日発売】
 


イップとヤネケ シンタクラースがやってくる!
アニー・M・G・シュミット 作/フィープ・ヴェステンドルプ 絵/西村由美 訳
 
     

 寒い冬のさなかに、大のなかよし、イップとヤネケのもとへ、トナカイのひくそりに乗ったサンタクロースならぬ、白馬に乗ったシンタクラースがやってきます!

 おとなりの家に住んでいる、小さな男の子イップと、女の子ヤネケの物語『イップとヤネケ』の、番外編です。

 シンタクラースって、なんだろう?と思われるかもしれませんね。シンタクラースは、寒い冬のさなか、お供の黒いピートといっしょに、白馬に乗って、子どもたちにプレゼントをもってきてくれます。シンタクラースの行事は、サンタクロースの行事と似て非なる、オランダの伝統行事なのです。

 本作では、シンタクラースの行事をめぐる、イップとヤネケのお話10話を収録しています。白馬のために、靴にニンジンを入れておいたり、ほしいプレゼントのお手紙をなかよく書いたり、シンタクラースの歌をめぐってけんかをしたり。シンタクラースを迎えるまでの、小さな子どもたちの日々が、詩情ゆたかに語られます。

 万国共通の、子どもがプレゼントを待つ気持ちが丁寧に描かれ、かつ日本にない冬のお祭りのようすが興味深くうかがえます。たいへんユニークな一冊です。

 ぜひ、子どもさんとおしゃべりしながら読んでみてください。

 カラー挿絵満載の、すてきな本ですので、クリスマスギフトにも。

     
   
     
   
     
●小学1・2年から
 

 
 
【10月18日発売】
 


父さんの手紙はぜんぶおぼえた
タミ・シェム=トヴ/母袋夏生 訳
 
     

 「また、おうちで会おうね。戦争がおわったら、すぐに――」
 ナチス・ドイツの占領下。オランダで暮らすユダヤ人一家の末娘、10歳のリーネケは、家族とはなれ、遠い村の医者ドクター・コーリー夫妻の家にあずけられました。リーネケは、ドクターの姪として村の学校に通います。食料もままならない窮乏生活、いつだれがユダヤ人をかくまっていると密告するかわからない恐怖、友だちにも決して自分の本当の名前や家族のことを話してはならない孤独、両親や兄姉と会えない寂しさ。

 リーネケの心の支えとなったのは、ひそかに届く父さんからの絵入りの手紙でした。小さな本のように綴じられた絵入りの手紙は、リーネケの心を楽しませようとする父さんの遊び心と愛情に満ちあふれています。

 手紙9通は奇跡的に保管され、現在イスラエルのロハメオ・ハゲタオット記念館に展示されています。この本は、リーネケ本人(現在78歳)から1969年生まれの作家シェム=トヴが当時のこと聞いて物語にまとめあげたものです。折々に丸覚えてしまうほどくり返し読んで味わった手紙が、すべてカラーで織り込まれています。
  少女の目線で、ユダヤ人だったゆえに味わった屈辱や悲しみ、そして、つらい時代に迷わず手をさしのべてくれた善意の人々や、地下抵抗運動の人々の姿をくっきりと伝えています。

 本書は、イスラエルの国立ホロコースト記念館のヤド・ヴァシェム賞(2007年)、優れた児童書に与えられるゼヴ賞(2008年)を受賞、2010年にはドイツ児童文学賞にノミネートされました。

     
   
     
   
     
   
     
●中学生から
 

 
 
【9月7日発売】
 

新装版 道具と機械の本 てこからコンピューターまで
デビッド・マコーレイ 作/歌崎秀史 訳
 
     
 わたしたちの生活をとりまく道具と機械200種以上の原理、しくみ、働きを、豊富なイラストレーションで解き明かす究極のガイドブック。身近な生活道具、乗り物、楽器、デジタル機器から、果ては原子力、人工衛星まで、あらゆる「基本」を集大成します。

 『道具と機械の本』は1990年の初版刊行以来、多くの読者を魅了してきたロングセラーです(99年には、デジタル機器に関する章を加えた新版を刊行)。
 このたびの新装版では、従来2色刷だったイラストがすべて4色刷りになりました。また文字のレイアウトも全面的に改良。見やすく、美しいフルカラー新装版が完成しました。

 子どもから大人までみんなで楽しめて学べる実用の書。ご家庭に、教室に、ぜひお備えください。

     



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●オールエイジ向け
 

 
 
【7月22日発売】
 
 
ペテフレット荘のプルック(全2冊)
(上)あたらしい友だち(下)とんでけ、空へ
アニー M・G・シュミット作/フィープ・ヴェステンドルプ絵/西村由美訳
 
     
 『イップとヤネケ』でおなじみ、オランダの黄金コンビによる、とびきりかわいい絵物語(フルカラー)です。

 プルックは、小さな赤いクレーン車にのった男の子。ペテフレット荘の最上階、塔の部屋にひとりで住むことになりました。部屋に案内してくれたのは世話好きの「ハトのドリー」。ペテフレット荘には、やさしい女の子「アーヒエ」や、そのお母さんできれい好きにもほどがある「ピーカピカさん」、ピーカピカさんの殺虫剤攻撃で死にかけた「ゴキブリのザザ」や、六人兄弟とパパ一人のにぎやかな「ドンドンドシン一家」、なんでも相談にのってくれる本屋の「ペンおじさん」、木の足のカモメ「カーレル」、世界一胴長の馬「ナガナガウーマ」にのる「少佐」など、個性的で楽しい隣人たちがいっぱい!

 ところが、公園をつくるために、動物たちがくらすキジバト森をこわす計画が進んでいました。なんとかして森を守ろうと、プルックやペンおじさん、動物たちは知恵をしぼります。また、プルックが仲間と海でみつけた卵は、なんと絶滅したはずの「マキゲフナドリ」でした。はく製にされるところを助けだし、なんとか自力で飛べるようにと、プルックたちは鳥をはげまします。

 友情や冒険をベースに、自然の大切さもさりげなく盛り込まれ、ウィットにも富んだ、幅広い世代がそれぞれに楽しめるお話です。

 『アーベルチェの冒険』の作者でもある、作者アニーM・G・シュミットは、「オランダの本当の女王」と言われたほどの国民的な作家で、1988年には国際アンデルセン賞を受賞しています。そのシュミットの生誕100年にあたる今年、彼女の代表作といわれるプルックのお話(1971年初版)を皆さんにご紹介できるのが何よりも嬉しい、私の夢の本です、と訳者の西村由美さん。オランダ人ならだれもが読んで育つという絵物語の名作、ぜひご家族でお楽しみください。

     








     
◆著訳者略歴◆

作:アニー M・G・ シュミット(Annie M.G. Schmidt 1911-1995)
オランダのゼーラント州カペレ生まれ。新聞紙上で『イップとヤネケ』を連載後、子どものための物語や詩で人気を博す。劇作家としても活躍。『魔法をわすれたウィプララ』と『オッチェ』で金の石筆賞を、本書『ペテフレット荘のプルック』と『ネコのミヌース』で銀の石筆賞を、1988年には国際アンデルセン賞を受賞。オランダの国民的作家であり、多くの作品が広くヨーロッパで読み継がれている。

絵:フィープ・ヴェステンドルプ(Fiep Westendorp 1916-2004)
オランダのヘルダーラント州ザルトボメル生まれ。アムステルダムの新聞社の編集部でシュミットと出会う。ヘット・パロール紙上での『イップとヤネケ』の連載(二人のコンビ初作品)を端緒として、シュミットの物語のさし絵を数多く手がける。彼女の生み出したキャラクターは、いまだにオランダで愛され続けている。

訳:西村由美(にしむらゆみ)
東京外国語大学英米語学科卒業。1984〜86年、オランダに在住。帰国後は外務省研修所などでオランダ語を教えながら、オランダ語作品の翻訳に携わる。アニーM・G・シュミット『イップとヤネケ』 『アーベルチェの冒険』(以上、岩波書店)、同『ネコのミヌース』(徳間書店)のほか、トンケ・ドラフト『王への手紙』 『白い盾の少年騎士』 『ふたごの兄弟の物語』、テア・ベックマン『ジーンズの少年十字軍』(以上、岩波少年文庫)、ヴァン・ローン「オオカミ少年ドルフィ」シリーズ(学研教育出版)など。

     








     
●小学3・4年から(読んでもらうなら幼児から)
 

 
       
   
 
 

 

 



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