■内容紹介 小柴先生が世界ではじめてニュートリノを観測して,2002年にノーベル物理学賞を受賞したことは知っていますね.でも,肝心のニュートリノがどこで,どんなふうにできているか,知っていますか? 太陽でつくられている太陽ニュートリノのほかに,つねに宇宙から地球に降ってきている宇宙線が地球の大気とぶつかって生成している大気ニュートリノがあります.大気ニュートリノのできかたはつぎのとおりです. 1 宇宙線(おもに陽子)が大気の原子核とぶつかって,パイ中間子ができる 2 パイ中間子がミュー粒子とミューニュートリノに崩壊する 3 ミュー粒子が電子と電子ニュートリノ,ミューニュートリノに崩壊する こうしてできたニュートリノを観測してきたのが,小柴先生たちが岐阜県神岡町(現・飛騨市)の地下につくった「カミオカンデ」さらに「スーパーカミオカンデ」という巨大な観測装置なのです.
この本は,小柴先生自身が,どんなふうにしてそれらの巨大で高性能の装置をつくりあげたか,何がわかってきたか,という研究をわかりやすく語ったものです.が,それだけではありません.体の弱かった小柴青年が徴兵検査で「小柴昌俊,丁種合格!」と宣言された話(丁種も合格なんですね),アメリカで打ち上げた原子核乾板を回収するため,米海軍の戦闘機で乾板をつるした気球を撃ち落とそうとした話(結局,落とせなかった),同じノーベル物理学賞を受賞した恩師とあおぐ朝永振一郎先生は,恩師は恩師でも物理学は教えてくれず,お酒を教えてくれた話.とにかく話がおもしろいのです.随所にフフッと笑える話が入っていて,楽しく読めます.みなさんもユーモアのある先生だなと親しみを感じることでしょう.
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