編集部だより


10月の新刊




  改憲は必要か
憲法再生フォーラム編
(新赤版911)
 
 
     
   永田町界隈では、改憲へ向けての動きが早まっています。来年5月には、国会の憲法調査会が報告書をとりまとめますし、自民党も来年の11月までに「憲法草案」を出す方針のようです。また、民主党は再来年中に改憲案をまとめると明言しています。

 改憲ムードが作られていく中で、「ここでちょっと立ち止まって、考えてみませんか」という趣旨で企画されたのが、本書です。

 下の目次を見ていただければおわかりのように、この本は、「Q&A」のスタイルをとっています。「そういわれると、憲法を変えた方がいいように感じる」と思ってしまうような「問い」をならべ、それに7名の著者がじっくりと答えてゆくという形式になっています。

 憲法を擁護したいという人も変えたいという人も、真剣に考えなければならない論点ばかりです。とりわけ「いまの憲法を変えたっていいようが気がする」と思い始めている人々には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

(新書編集部 小田野耕明)
 
 
     
  ■憲法再生フォーラムとは
 憲法再生フォーラムは、2001年9月に発足した研究会です。「日本国憲法の基本的諸価値に積極的な意義を認め、それを擁護し、発展させていく立場」に賛同した人々により運営されています。会員は現在、41名。樋口陽一、間宮陽介、阿部浩己の3氏が共同代表をつとめています。フォーラムの著作物としては、『暴力の連鎖を超えて』 『有事法制と憲法』(以上、岩波ブックレット)、『有事法制批判』(岩波新書)につづいて4冊目となります。

■執筆者紹介

加藤周一(かとう・しゅういち) 1919年生まれ。作家・評論家。『加藤周一セレクション』『加藤周一対話集』『夕陽妄語』『私にとっての20世紀』『学ぶこと 思うこと』など。

樋口陽一(ひぐち・よういち) 1934年生まれ。早稲田大学法学部教授。憲法学。『憲法と国家』『個人と国家』『憲法 近代知の復権へ』『国法学』など。

最上敏樹(もがみ・としき) 1950年生まれ。国際基督教大学教授。国際法・国際機構論。『国連システムを超えて』『国際機構論』『人道的介入』など。

杉田敦(すぎた・あつし) 1959年生まれ。法政大学法学部教授。政治理論。『権力の系譜学』『権力』『デモクラシーの論じ方』など。

阪口正二郎(さかぐち・しょうじろう) 1960年生まれ。一橋大学大学院法学研究科教授。憲法学・比較憲法学。『立憲主義と民主主義』など。

阿部浩己(あべ・こうき) 1958年生まれ。神奈川大学法学部教授。国際法。『テキストブック国際人権法』『人権の国際化』『国際人権の地平』など。

北沢洋子(きたざわ・ようこ) 1933年生まれ。国際問題評論家・日本平和学会前会長。『女性がつくる21世紀』『利潤か人間か』など。ホームページ

水島朝穂(みずしま・あさほ) 1953年生まれ。早稲田大学法学部教授。憲法学。『現代軍事法制の研究』『武力なき平和』『同時代への直言』など。ホームページ

 
     
  ■目次
 まえがき 加藤周一
 
  いま、憲法九条を選択することは、非現実的ではないか 樋口陽一  
  国連は無力なのだから、国連中心の平和主義には意味がないのではないか 最上敏樹
 
  「押し付け憲法」は選びなおさないと、自分たちの憲法にはならないのではないか 杉田 敦  
  憲法といっても法の一つなのだし、改正の手続だって規定されているのだから、改憲にそんなに慎重でなくてもよいのではないか 阪口正二郎  
  憲法を改めれば、自由や人権の状況も改善されるのではないか 阿部浩己  
  市民がどれだけがんばっても、しょせん戦争は止められないし、世界は変わらない。憲法九条も変えられてしまうのではないか 北沢洋子  
  現実と遊離してしまった憲法は、現実にあわせて改めた方がいいのではないか 水島朝穂  
   あとがき
 

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
有事法制批判 憲法再生フォーラム編 新赤版824
憲法と国家 樋口陽一著 新赤版626
人道的介入 最上敏樹著 新赤版752
憲法への招待 渋谷秀樹著 新赤版758
戦後政治の崩壊 山口二郎著 新赤版893
 
 
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