鍼灸は、中国の伝統医学をもとに体系化された治療法です。はり1本、ひとつまみのモグサで万病に対処し、時には奇跡的な治癒をもたらす鍼灸は、現代医学が不得意な慢性疾患をかかえる人が増えるなか、高い関心を集めています。低コストの省資源医療としてWHOも推奨し、欧米政府も注目するなど、もはやアジアだけのものではなく、100カ国以上で臨床に応用され世界で最も広く普及している伝統医療です。
本書は、ジャーナリズムが初めて本格的に鍼灸術という未開拓の分野にわけいったルポルタージュです。自身、鍼灸師の資格をもち、20年間鍼灸術について学んだ著者が、5年をかけて北海道から九州まで約80人の鍼灸師・医師を探訪し、共同通信加盟社に「からだに優しく 新はり・きゅう物語」「はりきゅうで元気 東洋医学探訪」「鍼灸 もうひとつの医療」という3回の連載ルポを配信しました。好評をもって迎えられた計100回の記事に加筆し再構成したのがこの本です。
鍼灸術とはなにか、鍼灸家はなにをしているのか、鍼灸の担い手はどのような思想や理念をもち、どんな生き方をしている人たちなのかを臨床現場からとらえ、患者さんの鍼灸師選びに、鍼灸を学ぶ学生の指南に、理想の鍼灸を追求する鍼灸家の模索に役立つ内容となっています。西洋医学と並ぶ「もうひとつの医療」の実像を知りたいとお考えのすべての方にご一読をおすすめいたします。
(新書編集部 太田順子)
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