編集部だより






 

ルポ 改憲潮流
斎藤貴男著
(新赤版1014)

 
 
 

 改憲に向かう、この国の〈現在〉を浮き彫りにする!

 「改憲」というと、とかく第9条ばかりがクローズアップされがちです。たしかに、第9条は、「平和主義」という、この国の根本的な性格を司る重要な条項です。しかし、注目すべきことは、それだけではありません。現在の改憲へ向かう動きの中で、私たち個々人の生き方自体が、いま大きく変えられようとしています。気鋭のジャーナリスト斎藤貴男さんが、幅広く、丹念な取材を通して、その実態を解き明かします。改憲に賛成する人も反対する人も、まずは、この国の底流で何が起きているのかを、ぜひ知っていただきたいと思います。

 
   
 
 

■著者紹介
斎藤貴男(さいとう・たかお)
1958年 東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。英国バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。日本工業新聞記者、週刊文春記者、プレジデント編集部などを経て、フリージャーナリスト。
著書―『安心のファシズム』(岩波新書)、『空疎な小皇帝―「石原慎太郎」という問題(岩波書店)、『カルト資本主義』『機会不平等』『梶原一騎伝』(以上、文春文庫)、『プライバシー・クライシス』(文春新書)、『ニッポン不公正社会』(共著)『希望の仕事論』(以上、平凡社新書)、『「非国民」のすすめ』(筑摩書房)、『国家に隷従せず』『不屈のために』『大増税のカラクリ』(ちくま文庫)、『バブルの復讐―精神の瓦礫』(講談社文庫)ほか。

     
  ■目次
はじめに

 
 
第1章
超監視社会は誰のため  
  NPO法人「栃木自警」/官民一体の治安強化/プロのみのなせる業/アメリカとスイスの「自警団」/関東大震災と朝鮮人大虐殺/整備される戦時体制/思想統制としての監視社会/密告社会がやってくる/生き方への介入と改憲潮流  
   
 
第2章
立憲主義が危ない  
  弁護士たちの危機感覚/「国家がしてはならぬこと、国家がなすべきこと」/重大な歴史の曲がり角/「新しいタイプの憲法」とは/国家と憲法/自由からの逃走?/民間憲法臨調の「国民論」/小林節が“変節”した最大の理由 
   
 
第3章
財界の意志と加害の記憶――衛星プチ帝国への道〈前編〉  
  首相の靖国参拝は「心の問題」か/遊就館のゼロ戦/靖国の“正義”/財界の意志/湾岸戦争の“屈辱”/市場経済と改憲/アメリカと同じ価値観を共有する国 
   
 
第4章
新自由主義と靖国の接点――衛星プチ帝国への道〈後編〉  
  経済同友会憲法調査会委員長へのインタビュー/軍事力による解決/「資本主義のためのゆすり屋、やくざ」/知性派財界人の懸念/グローバル時代の戦争/靖国8月15日の風景/ふたつの違憲判決/ある原告の戦後/血の叫びと、日本の大衆の受け止め方/グローバリゼーションと2003年の忠魂碑 
   
 
第5章
国民投票法案にみる権力の本能  
  改憲手続きへの着手/マスコミと自民党の勉強会/改憲手続きを制定することの意味/報道の自由を明記しない理由 
   
 
第6章
新憲法への奔流とジャーナリズム  
  朝日・読売の「共闘宣言」?/「NHK番組改変事件」報道事件/強まる朝日への風当たり/21世紀の「白虹事件」ではないのか/読売新聞論説委員長の話/朝日新聞論説主幹の話/揺れる朝日新聞/政治家は本気なのか 
   
 
第7章
アメリカ世界戦略の一部としての日本「自衛軍」  
  普天間基地移設をめぐる攻防/アメリカ世界戦争の中枢としての首都圏/下地島空港軍事化計画/下地幹郎氏へのインタビュー/米軍再編から自衛隊再編へ/秘密文書で明らかになった憲法違反の軍事訓練/改憲の先は 
   
 

おわりに

自民党新憲法草案と日本国憲法

 

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
安心のファシズム―支配されたがる人びと 斎藤貴男著 新赤版897
憲法とは何か 長谷部恭男著 新赤版1002
改憲は必要か 憲法再生フォーラム編 新赤版911
憲法九条の戦後史 田中伸尚著 新赤版951
ルポ戦争協力拒否
吉田敏浩著 新赤版927
 
 
 


Copyright 2009 Iwanami Shoten, Publishers. All rights reserved. 岩波書店