■著者からのメッセージ
景気は上向いて失業率も改善傾向を示しているように見えるが、足元では雇用の地殻変動がかなりの規模で起きている。
企業は競争力を確保するために、働き手の雇用と労働条件をどんどん切り下げ始め、いまや、所得の面では貧困化、働き方の面では「KAROSHI」が国際的に通用するほどの長時間過密労働が働き手を襲っている。こうして生身の人間の生活と健康を切り刻みながら、地殻変動は、雇用の枠組みそのものを融解させてしまう勢いだ。グローバル化が必然的なもので、規制緩和しか方法がないとすれば、この傾向はもっと激しくすすんで人間社会の基盤そのものを突き崩してしまうのだろう。
改革は必要だが、いままでとは違ったやり方があるはずだ。グローバル化と向き合いながら、不合理な格差をもたらす要因を取り除いて、「働きに応じて公正に報われる」「安心して働き、生活できる」社会と労働のシステムを打ち立てなければならない。何をどう改革するかが問われているところで、もう一度現実から出発して、何から挑んでいけるのか課題を探りたい。そして、それは私たち一人ひとりの生き方の問題なのかもしれない。
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