編集部だより






   

日清・日露戦争
原田敬一著
(新赤版1044)

 
 

 シリーズ日本近現代史の第3巻では、1890年の帝国議会開設から1910年の韓国併合までの軌跡をたどります。日本が日清戦争・北清事変・日露戦争とほぼ5年ごとに大きな戦争を繰り返して、台湾と朝鮮を獲得し、植民地支配に乗り出すという20年間です。

  著者はその時期を「戦後が戦前だった時代」と呼びます。立憲国家として歩みを始めたばかりの日本が、どうしてこれほど短期間のうちに戦争を重ねることになったのでしょうか。戦争は、日本社会をどのように変えていったのでしょうか。

 本書では、「輝かしい時代」として語られやすい明治像を相対化しつつ、同時に「大日本帝国」への道とは異なる可能性をも内包していた時代として、世紀転換期をしなやかに描き出します。なお、つづく第4巻『大正デモクラシー』は4月の刊行を予定しています。

(新書編集部 小田野耕明)
 
 
 

■著者紹介
原田敬一(はらだ・けいいち)氏は、1948年岡山市生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専攻は、日本近代史。現在、佛教大学文学部教授。著書に、『日本近代都市史研究』(思文閣出版)、『国民軍の神話―兵士になるということ』(吉川弘文館)、『帝国議会 誕生』(文英堂)、編書に『日清戦争の社会史』(共編、フォーラム・A)ほかがある。

     
  ■目次
 はじめに――日本へ、アジアへ

 
 
第1章
初期議会  
  1 憲法実施の一挙
2 第一議会の攻防
3 積極主義への転換
 
第2章
条約改正  
  1 シベリア鉄道と日本
2 引き続く議会との対立
3 伊藤博文と自由党の模索
4 条約改正と帝国議会
 
第3章
日清戦争  
  1 協調からの離脱
2 朝鮮と日本の民衆
3 開戦へ
4 戦争の実相
5 終戦から戦後へ
 
第4章
台湾征服戦争  
  1 過酷な征服
2 「外地」の誕生
3 膨張の逆流
 
第5章
日清戦後と国民統合  
  1 「戦後経営」の出発
2 近代法体系
3 「戦後経営」の政治
4 国民統合の進展
 
第6章
民友社と平民社  
  1 戦争と底辺
2 文学と社会
3 ジャーナリズムの成熟
 
第7章
日露戦争と韓国併合  
  1 押し開けられた扉
2 日露戦争
3 講和への動き
4 戦争の記憶
5 韓国併合へ
 

 おわりに――「輝かしい明治」論とナショナリズム
 あとがき
 参考文献/略年表/索引

 

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
日清戦争―東アジア近代史の転換点 藤村道生著 青版D-127
日露戦争の世紀―連鎖視点から見る日本と世界
山室信一著 新赤版958
山県有朋―明治日本の象徴 岡義武著 青版D-120
田中正造 由井正臣著 黄版274
明治デモクラシー
坂野潤治著 新赤版939
 
 
 


Copyright 2009 Iwanami Shoten, Publishers. All rights reserved. 岩波書店