「科学の伝道師」の到達点
著者である鎌田先生との打合せのため京大に行ったときのことです。
「ちょうど火山の講義があるので覘きに来て下さい」というお誘いに乗り、大講義室の隅に陣取りました。
400人収容と思われる講義室にはほぼ満杯の学生。時刻になり、アシスタントがプロジェクターとビデオカメラをセットしたところで、妙なコスチュームの先生が壇上に立ちました。講義の内容に合わせたという、服のコーディネートが最初の話題です。
通例なのでしょうか、前回の講義の際に学生さんたちが書いた質問や感想を、答えを交えながら読み上げていきます。学生さんたちは前回の講義の印象を反芻しつつ、カマタ教授の世界に引き込まれていくという仕掛けです。
さて講義のテーマは富士山の噴火。前回の噴火は300年前の江戸時代。そろそろ噴火してもおかしくないという話です。(詳しくは本書をお読み下さい。)
これが鎌田先生との初対面です。先生はこれまでの研究者とはまったく違ったタイプの方で、「科学の伝道師」を任じておられるのもうなずけます。6月の日本テレビ「世界一受けたい授業」に登場した姿(このときはジージャンでした)をご覧になった方も多いかもしれません。
本書は鎌田先生が全力で火山の魅力と災害に対処する知恵を語った、たいへん読みやすくためになる本です。
(新書編集部 千葉克彦)
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