命がけの旅、圧倒的な文化、望郷の思い……
東アジアの大帝国であった唐。その都・長安は遥かな国々からさまざまな文物、そして人々を引き寄せ、先端の文化を誇ったといいます。日本からも国家の使節として、また留学生・留学僧として海を渡り、唐へと向かった人々がいました。彼らはいかなる使命を担い、何を求め、そして何を得てきたのでしょうか。
本書は、遣隋使と遣唐使の時代を合わせて、七、八、九世紀の約三百年にわたる日本古代外交の実態とその歴史的な意義を、史料の詳細な検討を元に読み解いていきます。
当時の国際関係のなかでの日本の位置、難船の相つぐ危険な海路をどう渡っていったのか、空海、阿倍仲麻呂といった著名人だけではなく、技術の習得を目ざした名もない工人たち、仏典から通俗小説まで、どんな書物を輸入するかに留学生達の選択眼が働いていたらしいこと、などなど、個々の話題としても「なるほど」という面白いものがいっぱいです。と同時に、隣の大文明と付き合うことで、日本人はどのように自己を意識し、自分たちの文化を形成しようとしていたかは、やはり読みどころではないでしょうか。
(新書編集部 早坂ノゾミ)
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