編集部だより






 

エビと日本人II
―暮らしのなかのグローバル化

村井吉敬著
(新赤版1108)

 
 
 

 前著から20年―エビは、私たちの食はどうなったか

 前著『エビと日本人』が刊行されたのは1988年。日本は「バブル経済」の真っ只中にありました。私たちの食卓の向こうにあるアジアとの関係を、エビを切り口に鮮やかに描き出し、多くの読者を獲得したこの本から20年。ついに続編の登場です。

 グローバリゼーションの進展と重なったこの20年の間に、日本の食は、さらに輸入依存度を深めました。本書では、前著以降に著者がおとずれたニカラグア、台湾、タイ、インドネシアなどのエビに関わる人びとの現場が、臨場感にあふれた筆致で描き込まれています。

 データも全面刷新しました。エビの生産、消費、流通に関わる指標を数字でたどることで、私たちの暮らしとアジアとのつながり、さらにはグローバル化が日常に浸透している様子が立体的に浮かびあがります。

 『エビと日本人』と2冊合わせて半世紀。エビから「食」を考えなおす旅に、ぜひご一緒してください。

(新書編集部 太田順子)
 
 
 

■著者紹介
村井吉敬(むらい・よしのり)
1943年千葉県に生まれる。早稲田大学政経学部卒業。現在、上智大学教授。社会経済学、インドネシア研究。
  主な著書に『エビと日本人』(岩波新書)、『誰のための援助』(岩波ブックレット)、『アジアの海と日本人』(共編著、岩波書店)、『サシとアジアと海世界』(コモンズ)、『グローバル化とわたしたち―国境を超えるモノ・ヒト・カネ』(岩崎書店)ほか多数。

     
  ■目次
 プロローグ―20年経ったエビ

 
 
第1章
エビとマングローブの海辺―アチェの津波と東ジャワの熱泥  
  1 「怪獣のような殺人流体」
2 津波とエビ養殖池
3 マングローブを犠牲にしたもの
4 マングローブの木炭
5 驚きの熱泥噴出
6 マルシナのたたり?
7 エビ、天然ガス、熱泥災禍
 
第2章
変わるエビ養殖種―ブラックタイガーからバナメイへ  
  1 ニカラグアのバナメイ
2 バナメイというエビ
3 エビの売られ方
4 エビの種類
5 食べられるエビ
6 豊饒なマングローブ林
7 マングローブ林伐採とエビ養殖
 
第3章
養殖池を歩く―「海辺の廃墟」への旅  
  1 「草蝦の父」はいま
2 藤永元作と秋穂とクルマエビ
3 石垣島のクルマエビ養殖
4 エビ田の娘、キャットフード工場で働く娘
5 「緑の革命」と「青の革命」
6 ビントゥニ湾のエビ漁
 
第4章
グローバル・エビ食の時代―世界のエビ事情  
   1 台湾コネクション
2 エビ輸入国としての中国の台頭
3 アメリカに抜かれた日本
4 家庭内エビ消費の激減
5 エビフライ工場ではパンも焼いていた
6 失われた10年? 過消費の10年?
7 世界一のエビ消費国は?
 
第5章
食のグローバル化とフェアトレード―飽食しつつ憂える時代に  
 

1 食料自給率は三九%
2 バナナの問題
3 あふれる輸入食品
4 背ワタを取る、池で働く
5 エビは安全なの?
6 シドアルジョの自然循環型エビ養殖モデル
7 グローバル化のなかのエビ
8 エビのフェアトレード

 

 あとがき
 主な参考文献

 

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
エビと日本人 村井吉敬 新赤版20
バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ 鶴見良行 黄版199
東南アジアを知る―私の方法 鶴見良行 新赤版417
ウナギ 地球環境を語る魚 井田徹治 新赤版1090
現代たべもの事情 山本博史 新赤版374
 
 
 



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