子どもをめぐる、悲惨な事件の報道があとを絶ちません。親をはじめ、周囲の大人も、いわば「不安の連鎖」の中で心細い日々を送っているといいます。中でも、性的虐待にかかわることは、真実に迫ること自体が至難で、日本においては、実態すらなかなか把握されていないのが実情といいます。
いったい、こういった事件の背景に何があるのでしょうか。果たしてこの種の事件はここ数年急激に増えているのでしょうか。また、万一、その事態に直面した際には、私たち一人ひとりは、どのように対応すればいいのでしょうか?
本書では、長年多数の当事者の方々と接し、この分野のパイオニアとして活躍されてきた第一人者である著者が、まず、子どもへの性的虐待の実態を見極め、抱かれがちな誤解を解く一方、この種の暴力の特徴とその深刻さを見ていきます。その上で、なぜ日本で適切な介入が困難なのか、解決のために何が求められるのか、考察していきます。
「聴く」ということが、どれほど大切か、その際、何に注意しなくてはならないか、すぐに活かせる具体的で貴重なアドバイスもあります。さらに、社会がこれまでこの問題にどのように向き合ってきたか、その歴史的経緯もたどります。
制度改革への緊急提言をも盛り込みつつ、孤立する当事者の方たちに力強いエールを送る、「心の救急箱」のような一冊です。
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