世代間連鎖を断ち切るために
学力、健康、そして将来……。人生のスタート時点におけるさまざまな「不利」は、大人になっても人生に大きな影響を及ぼしてしまいます。今や、日本の貧困は、OECD諸国の中で、第2位の高さを占めるといいます。にもかかわらず、その「貧困」の実相はなかなか見えないというのが実情ではないでしょうか。
本書では、そもそもどの程度の生活水準が「貧困」であり、貧困率はどのように計算されるのか、貧困世帯に育つことで子どもたちはどのような困難を抱えているのかを豊富なデータをもとに検証していきます。そして、「貧困の世代間継承」を断つために、今、緊急に求められる「子ども対策」を提唱していきます。
本書のなかで紹介されるアンケート調査の「不安に思っていることは何ですか」という問に対し、あるシングルマザーは、下記のように答えていたそうです。
「子供の大学進学を控えての経済的不安。派遣のため収入の増える見込みがないので自分の老後の蓄えをするよゆうがない。将来働けなくなったら、すぐ死んだ方が子どもにめいわくをかけないで済むのではないかと考える。」(母42歳、第一子15歳)
著者が書いていらっしゃるように、「「子どものために早く死にたい」と、母親に言わせる社会は許されるべきではない」というほかありません。
今すぐ、是非、社会全体で真剣に考えていただきたい、文字通り喫緊の課題です。
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