編集部だより






 

ノモンハン戦争 モンゴルと満洲国
田中克彦著
(新赤版1191)

 
 
 

 あれから70年、今その真相を明らかにする

 あっという間に百万部を超えるベストセラーになった『1Q84』で、再び時の人になった村上春樹。彼が小説『ねじまき鳥クロニクル』の中でノモンハンのことを書いているのをご存知でしょうか。書いているのみならず、小説を書いた後に、戦闘の後がほとんどそのまま残っている「異様な光景」の現地を訪れています。

 このような話は、村上春樹のノモンハンへの関心の高さをうかがわせるものですが、モンゴル学の泰斗、田中先生の今回の本は、モンゴルやロシアの最新の研究成果をふまえて、従来のノモンハン戦争の見方を徹底的に検証し、当時のソ連、モンゴル、日本、満洲国の関係がどのようなものであったかを新たな視点で描きだしたものです。
 そこには、ソ連と汎モンゴル主義の問題をはじめ、興味ぶかい多くのテーマが表われています。ノモンハン戦争から七十年、その真相を明らかにする本の誕生です。

(新書編集部 平田賢一)
     
 

■著者紹介
田中克彦(たなか・かつひこ)1934年、兵庫県に生まれる。1963年、一橋大学大学院社会学研究科修了。現在、一橋大学名誉教授。専攻、言語学、モンゴル学。
著書―『ことばと国家』 『言語学とは何か』 『名前と人間』 『エスペラント―異端の言語(以上、岩波新書)、『「スターリン言語学」精読』 『言語からみた民族と国家』 『チョムスキー』 『法廷に立つ言語』 『言語の思想』(以上、岩波現代文庫)、『国家語を超えて』『ことばのエコロジー』(筑摩書房)、『草原の革命家たち』(中公新書)、『ことばとは何か』(講談社学術文庫)ほか。

     
 

■目次

 
   まえがき  
 
第一章
 「事件」か、「戦争」か  
 


 
第二章
 満洲国の国境とホロンボイル  
 


 
第三章
 ハルハ廟事件からマンチューリ会議まで  
 


 
第四章
 抵抗するモンゴルの首脳たち  
 


 
第五章
 受難のブリヤート人―汎モンゴル主義者  
 


 
第六章
 汎モンゴル主義  
 


 
第七章
 ソ連、モンゴルからの満洲国への脱出者  
 


 
第八章
 戦場の兵士たち  
 


 
第九章
 チョイバルサンの夢―果たせぬ独立  
 


 
第一〇章
 誰がこの戦争を望んだか  
 

 

 

 あとがき
 参考文献
 略年表

 

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
エスペラント―異端の言語 田中克彦著 新赤版1077
言語学とは何か 田中克彦著 新赤版303
ことばと国家 田中克彦著 黄版175
名前と人間 田中克彦著 新赤版472
奉天三十年(上下) クリスティ―著/矢内原忠雄訳 赤版25・26
 
 
 



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