海と魚の持続可能な利用を考えるために
大漁・不漁を左右するのは海の魚の数です。では、その魚の数が地球の大気や海と連動し数十年スケールで変動していることをご存じでしょうか? この現象は「レジーム・シフト」と呼ばれ、1983年、著者によって世界で初めて見出されました。1990年代以降、レジーム・シフト研究は、水産資源学・海洋生物学・気象学・気候学・海洋物理学をふくむ広大な分野で最先端の研究領域として大きく発展しました。本書は、世界的に進展したこれらの研究成果を踏まえ、これからの海と海洋生物資源の持続可能な利用のあり方に明確な方向性を示したものです。
「大漁・不漁の科学」が拓いた、この新たな地球環境像に触れたあと、現在の海の管理のあり方、漁業のあり方を改めて見ると、その落差に軽いめまいさえ覚えます。人も生態系の一部として生きるしかない以上、現状を支える法的根拠である国連海洋法条約や国際漁業協定などは切実に見直されなければならない、と納得していただけるのではないでしょうか。
(新書編集部) |