編集部だより






 

希望のつくり方
玄田有史著
(新赤版1270)

 
 
 

 さよなら閉塞感!

 いまの日本は、重苦しい現実を前に、閉塞感や不透明感が拡がり、希望が持ちにくくなっていると言われます。そんな時代に生きる私たちは、何を考え、どんな行動に踏み出していけばよいのか。そもそも希望とはどういうもので、どうして日本からは失われてしまったのか―本書は、こうした問いにストレートに答えていきながら、一人ひとりが希望をつくり出すときのヒントをお伝えするものです。

 「壁にぶつかったら、ウロウロしよう」とか、「わからないことにチャンスあり」とか、そのヒントはちょっと変わったものばかり。しかし、どれも、著者の経験や、著者が出会った人たちから教えてもらったことが基になっていますので、不思議な説得力があります。進路に迷う若い読者、会社や地域で悩みを抱えている方、子どものことで不安を感じている方などにお読みいただき、これからの第一歩を踏み出すきっかけを本書に探してくださればと願っております。

(新書編集部 小田野耕明)
     
 

■著者紹介
玄田有史(げんだ・ゆうじ)氏は、1964年、島根県生まれ。1992年、東京大学大学院経済学研究科博士課程退学。学習院大学経済学部教授などを経て、現在は、東京大学社会科学研究所教授。専攻は、労働経済学。
 著書に、『仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若者の現在』(中央公論新社)、『ジョブ・クリエイション』(日本経済新聞社)、『ニート―フリーターでもなく失業者でもなく』(幻冬舎、共著)、『14歳からの仕事道』(理論社)、『働く過剰―大人のための若者読本』(NTT出版)、『人間に格はない―石川経夫と2000年代の労働市場』(ミネルヴァ書房)ほかがある。また、編著に、『希望学』(全4巻、東京大学出版会、共編著)ほか多数。

     
  ■目次   
 


 はじめに

 
 
第1章
希望とは何か  
 

正直に話す/少しだけ笑う/若者の問題/欠けている言葉/正確な情報/人生、悪くなかった/「頑張る」は禁物?/希望は要らない?/希望とはみえないもの/生きる困難のなかで/夢とのちがい/水俣の再生/幸福とのちがい/希望と安心とのちがい/四本の柱/希望とは何か/「変わる」と「変える」/共有すること

 
第2章
希望はなぜ失われたのか  
 

データからみる/大切な注意/希望はないのか?/幸せな希望/近くの希望・遠くの希望/「何か」は何か/なぜ仕事なのか?/行動と仲間/可能性について/高齢社会/リスクに備える/教育をどうするか?/関係性について/人間関係の禁じ手/ウィーク・タイズ/共感社会へ/家族という困難/希望が失われた理由

 
第3章
希望という物語  
 

第三の論点/子どもの頃/修正の旅へ/ある青年の物語/挫折の持つ意味/私の挫折/経験は伝播する/日本を先取りする街/八幡さんから学んだこと/無駄の効用/希望は出会うもの/脱線の役割/必要な無駄/セレンディピティ/まだない存在/希望というフィクション/なぜ物語なのか/働くことの両義性/アニマル・スピリット/経済のなかの両義性

 
第4章
希望を取り戻せ  
 

希望は妖怪のよう?/勉強する意味/「わからない」ということ/大学・学部の選び方/経済学は何を学ぶか/希望の政策/絶望を避ける/最悪でなければ/地域から始める/ローカル・アイデンティティ/地域内外のネットワーク/高齢社会の別側面/会社の再生/努力が報われないとき/キャリア教育/大丈夫の使い方/大きな壁/絶望の向こう側/創造の源泉/私の希望

 

 おわりに―希望をつくる8つのヒント

 あとがき/参考文献

 

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
〈私〉時代のデモクラシー 宇野重規 新赤版1240
生き方の不平等―お互いさまの社会に向けて 白波瀬佐和子 新赤版1245
「ふるさと」の発想―地方の力を活かす 西川一誠 新赤版1195
生きる意味 上田紀行 新赤版931
悪あがきのすすめ
辛 淑玉 新赤版1079
 
 
 



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