編集部だより






 


革命とナショナリズム 1925−1945
石川禎浩著
(新赤版1251)

 
 
 

 革命、国家建設、そして日本との戦争へ

 シリーズ中国近現代史第3巻をお届けいたします。この巻では、孫文が死ぬ1925年から、中国が日本との戦争に勝利する1945年8月までをたどります。

 この時期の中国は、タイトルにありますように、「革命とナショナリズム」の時代でした。国民党と共産党という二つの「革命」政党が、協力と対立を繰り返しながらも、「中国」として日本の侵略に抗っていく20年です。当時の中国にとって「革命」とは何を意味していたのか、共産党が力を拡大させたのにはどういう背景があったのか、日本の対中侵略にどう勝利したのか―。現代中国の成り立ちを理解する上でも欠かせないこうした問いについて、本書は答えてくれるはずです。

 現在では、イデオロギーが人びとを駆り立てて、歴史を動かしていったということに、なかなかリアルに想像することが難しいのではないでしょうか。著者は、イデオロギーの時代がもっているダイナミズムやその多面的な姿を、骨太な筆致でお書きくださいました。さらに、本書には、類書ではあまり見ることのできない、当時の空気を伝える写真がたくさん収載されておりますので、そちらもどうぞじっくりご覧いただきたいと思います。

*シリーズ第2巻の『近代国家への模索 1894−1925』は、2010年12月に刊行する予定です。

     
 

■著者紹介
石川禎浩(いしかわ・よしひろ)氏は、1963、年山形県生まれ。1990年、京都大学大学院文学研究科史学科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、神戸大学文学部助教授を経て、現在は、京都大学人文科学研究所准教授。専攻は、中国近現代史。
 著書に、『中国共産党成立史』(岩波書店)、訳書に、丁文江・趙豊田編『梁啓超年譜長編』(全5巻、共訳、岩波書店)がある。

     
  ■目次   
 


 はじめに

 
 
第1章
国民革命の時代  
 

1 志を継ぐもの
2 蒋介石の台頭と共産党
3 北伐と北京政府
4 国共合作の崩壊

 
第2章
南京国民政府  
 

1 南京国民政府の北伐再開
2 統一と国家建設
3 満洲事変
4 国民意識とイデオロギー

 
第3章
共産党の革命運動  
 

1 中国共産党とコミンテルン
2 武装蜂起と革命根拠地
3 長征と毛沢東

 
第4章
帝国日本に抗して  
 

1 日本の華北侵略
2 抗日民族統一戦線の形成
3 西安事変

 
第5章
抗日戦争から第二次世界大戦へ  
 

1 盧溝橋事件から日中全面戦争へ
2 戦時下の中国
3 より大きな戦争へ
4 抗日戦争の終結

 

 おわりに

 あとがき
 参考文献/略年表/索引

 

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
中国近現代史 小島晋治・丸山松幸 黄版336
紫禁城―清朝の歴史を歩く 入江曜子 新赤版1141
溥儀―清朝最後の皇帝 入江曜子 新赤版1027
中華人民共和国史 天児 慧 新赤版646
日中関係 戦後から新時代へ 毛里和子 新赤版1021
 
 
 



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