編集部だより






 

本は、これから
池澤夏樹編
(新赤版1280)

 
 
 

 37人が思いを馳せる、書物と人間の未来形
  みんな、「本」を愛している!

     
 

■編者からのメッセージ

 ぼくはワープロで書いた最初の芥川賞作家だった。当初はフロッピーで入稿するということをしようとして、受ける側にその用意がなくて混乱したこともあった。以来、メモやノートや詩は紙にボールペンで書いても、原稿はすべてキーボードで書いてきた。
 しかし本そのものは今もって紙に印刷し、製本するという形で流通している。読者は本を手に持って、一ページずつ開いて読む。時にはぱらぱらとめくる。
 それが変わろうとしている、と世間は言う。本当だろうか?
 (中略)
 ここに集められた文章全体の傾向を要約すれば、「それでも本は残るだろう」ということになる。あるいはそこに「残ってほしい」や、「残すべきだ」や、「残すべく努力しよう」が付け加わると考えてもよいかもしれない。
 みんな本を愛している。

(池澤夏樹)
     
 

■編者紹介
池澤夏樹(いけざわ・なつき)1945年北海道生まれ。作家。小説に『スティル・ライフ』『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『カデナ』など多数。『読書癖(1〜4)』『嵐の夜の読書』などの書評集をはじめ、エッセイや評論も数多い。『世界文学全集』の個人編集を行う。

     
  ■目次   
 

 

 
  序 本の重さについて 
池澤夏樹
  電子書籍時代  吉野朔実
  本の棲み分け  池内 了
  発展する国の見分け方  池上 彰
  歩き続けるための読書  石川直樹
  本を還すための砂漠  今福龍太
  本屋をめざす若者へ  岩楯幸雄
  書物という伝統工芸品  上野千鶴子
  活字中毒患者は電子書籍で本を読むか?  内田 樹
  生きられた(自然としての)「本」  岡ア乾二郎
  本を読む。ゆっくり読む。  長田 弘
  装丁と「書物の身体性」  桂川 潤
  半呪物としての本から、呪物としての本へ  菊地成孔
  電子書籍の彼方へ  紀田順一郎
  実用書と、僕の考える書籍と  五味太郎
  永遠の時を刻む生きた証  最相葉月
  綴じる悦び 閉じない夢想  四釜裕子
  誰もすべての本を知らない  柴野京子
  変わるもの、変わらないもの  鈴木敏夫
  三度目の情報革命と本  外岡秀俊
  私(たち)はなにをどう売ってきたのだろうか  田口久美子
  最悪のシナリオ  土屋 俊
  「追放本」てんまつ  出久根達郎
  図書館は、これから  常世田 良
  地域に根づいた書店をめざして  永井伸和
  電子書籍のもつ可能性  長尾 真
  和本リテラシーの回復のために  中野三敏
  「買書家」の視点から  成毛 眞
  届く本、届かない本  南陀楼綾繁
  電子書籍がやってくる  西垣 通
  出版という井戸を掘る  萩野正昭
  「本ではない本」を発明する  長谷川 一
  本と体  幅 允孝
  大量発話時代と本の幸せについて  原 研哉
  紙の本に囲まれて  福原義春
  読前・読中・読後  松岡正剛
  しなやかな紙の本で、スローな読書を 
宮下志朗

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
岩波新書の歴史 付・総目録1938〜2006 鹿野政直 新赤版別冊9
翻訳家の仕事 岩波書店編集部編 新赤版1057
活字たんけん隊―めざせ、面白本の大海 椎名 誠 新赤版1230
未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告 菅谷明子 新赤版837
読書力 齋藤 孝 新赤版801
 
 
 



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