編集部だより






 


近代国家への模索 1894−1925
川島 真著
(新赤版1250)

 
 
 

 清の改革、辛亥革命、そして中華民国へ

 シリーズ中国近現代史第2巻をお届けいたします。この巻では、1894年の日清戦争から1925年の孫文の死去までの時期、つまり、清朝の最後の15年と中華民国の前期の歩みをたどります。

 この時期の知識人や政治家にとって最大の課題は、「救国」にありました。「中国」という意識の高まりとともに、中国を内外の危機から救うための方策がいくつも提出され、近代への道がさまざまな形で模索されました。その道は紆余曲折に満ち、激動の時代となりました。本書では、革命を主旋律とする従来の歴史叙述とは異なり、多様な主体がせめぎあう中から複数の可能性が開いていた時代であったとして、複線的に歴史を描いています。

 折しも2011年は、辛亥革命から100年となります。清朝の終焉から中華民国の建設のプロセスに新しい光を当てた本書を、ぜひお読みいただければと思います。

     
 

■著者紹介
川島 真(かわしま・しん)氏は、1968年神奈川県横浜市生まれ。1997年東京大学大学院人文社会研究科博士課程修了。現在は、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻准教授。中国近現代史・アジア政治外交史。
 著書に『中国近代外交の形成』(名古屋大学出版会)、『グローバル中国への道程―外交150年(共著、岩波書店)、『東アジア国政政治史』(共編、名古屋大学出版会)ほかがある。岩波講座・東アジア近現代通史の編集委員を務める。

     
  ■目次   
 


 はじめに

 
 
第1章
救国と政治改革  
 

1 日清戦争
2 「瓜分の危機」
3 変法・自強

 
第2章
王朝の維持と「中国」の形成  
 

1 義和団戦争と辛丑和約
2 光緒新政と近代国家建設
3 知識人の「中国」と「近代」

 
第3章
立憲君主制と共和制  
 

1 立憲君主制の模索
2 集権と分権
3 辛亥革命と中華民国の成立

 
第4章
中華民国の国家構想と袁世凱政権  
 

1 袁世凱政権の成立
2 第一次世界大戦と対華21カ条要求
3 1910年代の社会と経済

 
第5章
国際社会の変容と中国  
 

1 国際社会のなかの中国
2 ソ連の出現と社会主義の受容
3 二つの中央政府と聯省自治
4 孫文の死と北京政府の崩壊

 


 おわりに
  あとがき
  参考文献/略年表/索引

 

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
中国近現代史 小島晋治・丸山松幸 黄版336
辛亥革命 野澤 豊 青版D54
紫禁城―清朝の歴史を歩く 入江曜子 新赤版1141
溥儀―清朝最後の皇帝 入江曜子 新赤版1027
日中関係 戦後から新時代へ 毛里和子 新赤版1021
 
 
 
 



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