〈使える〉英語力を身につける!
著者は日英・同時通訳の草分け、APECやG8サミットなどトップクラスの国際会議で何度も通訳を務めてきた、まさに第一人者です。ところが聞いて驚きました。同時通訳者といえばリスニング&スピーキングのスペシャリスト、素人目には神業としか思えないスピードで通訳していくその人でさえ、「同時通訳をする時、私はかなり意識して英語の文章を作っています。ネイティブ・スピーカーのように、苦労しなくても自然に英語が出てくるということはあまりありません。…英語を外国語として学ぶ私たちにとって、英語を母国語と同じように流暢に話すということはきわめて難しいことで、現実的な目標とは言えません」(本書「はじめに」より)と言うのです。それでは一般の学習者は、いったいどうしたらいいのでしょうか?
しかし諦めることはありません。ネイティブのようにとはいかなくとも、ビジネス等の現場で実際に使える、的確な表現力を身につけるために役立つのが、通訳者の「日本語を生かす」英語術。日本語でものを考える訓練をし、コミュニケーション力をみがいてきた大人の学習者の方にこそ、その日本語力を生かして英語力を伸ばしてほしい─著者が長年の通訳経験をつうじて得たさまざまな上達のヒントが本書にはたくさん詰まっています。
「まず日本語で考える」「単語は全部聞き取れなくてよい」「発音よりリズム」「最寄り訳の発想で」「文法とリーディングは重要」「文学作品を楽しむべし」。発信型の「使える英語力」を身につけるために、ぜひご一読をおすすめします。
(新書編集部 古川義子) |