編集部だより






 

英語で話すヒント―通訳者が教える上達法
小松達也著
(新赤版1350)

 
 
 

 〈使える〉英語力を身につける!

 著者は日英・同時通訳の草分け、APECやG8サミットなどトップクラスの国際会議で何度も通訳を務めてきた、まさに第一人者です。ところが聞いて驚きました。同時通訳者といえばリスニング&スピーキングのスペシャリスト、素人目には神業としか思えないスピードで通訳していくその人でさえ、「同時通訳をする時、私はかなり意識して英語の文章を作っています。ネイティブ・スピーカーのように、苦労しなくても自然に英語が出てくるということはあまりありません。…英語を外国語として学ぶ私たちにとって、英語を母国語と同じように流暢に話すということはきわめて難しいことで、現実的な目標とは言えません」(本書「はじめに」より)と言うのです。それでは一般の学習者は、いったいどうしたらいいのでしょうか?

 しかし諦めることはありません。ネイティブのようにとはいかなくとも、ビジネス等の現場で実際に使える、的確な表現力を身につけるために役立つのが、通訳者の「日本語を生かす」英語術。日本語でものを考える訓練をし、コミュニケーション力をみがいてきた大人の学習者の方にこそ、その日本語力を生かして英語力を伸ばしてほしい─著者が長年の通訳経験をつうじて得たさまざまな上達のヒントが本書にはたくさん詰まっています。

 「まず日本語で考える」「単語は全部聞き取れなくてよい」「発音よりリズム」「最寄り訳の発想で」「文法とリーディングは重要」「文学作品を楽しむべし」。発信型の「使える英語力」を身につけるために、ぜひご一読をおすすめします。

(新書編集部 古川義子)
     
 

■著者紹介
小松達也(こまつ・たつや)1934年名古屋市生まれ。同時通訳者。1959年東京外国語大学英米科卒業。米国国務省言語課通訳員を経て、1966年日本初の会議通訳エージェントであるサイマル・インターナショナル創設に参加、1988年より同社代表取締役社長、1998年より顧問を務める。会議通訳の第一人者として、日米経済交渉、G8サミット、APEC、日米財界人会議など多くの国際会議で活動、現在に至る。現在、国際教養大学特任教授・明海大学名誉教授・(株)サイマル・インターナショナル顧問・NPO通訳技能向上センター理事長。
著書─『英語で日本を話そう』(サイマル出版会)、『訳せそうで訳せない日本語』(ジャパンタイムス、ソフトバンク新書)、『通訳の英語 日本語』(文藝春秋)、『通訳の技術』(研究社)。

     
  ■目次   
     
   はじめに─英語と日本語のあいだから  
 

 

 
 
第1章
通訳と英語学習  
 

1 通訳とはどんな作業か
2 話し言葉と書き言葉
3 通訳訓練と外国語学習
4 日本人が必要とする英語力
5 通訳の英語学習への応用

 
第2章
まず聞き取る  
 

1 単語を認識する
2 パーシングとプロポジション

 
第3章
意味の理解  
 

1 「センス」を捉える
2 幹と枝葉を分ける
3 論理の流れをつかむ
4 イメージ化する

 
第4章
英語で話す  
 

1 外国語の話者として
2 情報を伝える英語
3 英語らしいセンテンスを作る

 
第5章
誤解なく伝えるには  
 

1 センテンスからパラグラフへ
2 日本語は曖昧か

 
第6章
日本語でこう言いたい時  
 

1 時は金なり─比喩を使った表現
2 身体にまつわる比喩
3 「甘え」は訳せるか─多義語の問題
4 オノマトピア─擬音語と擬態語

 
第7章
継続は力なり─通訳者として、教師として  
 

1 ボキャブラリーを増やすには
2 発音について
3 文学と英語学習
4 動機と継続

 

 主な参考文献
 おわりに

 

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
日本人の英語 マーク・ピーターセン 新赤版18
英文の読み方 行方昭夫 新赤版1075
日本人はなぜ英語ができないか 鈴木孝夫 新赤版622
外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か 白井恭弘 新赤版1150
外国語上達法 千野栄一 黄版329
 
 
 



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