編集部だより






 

先生!
池上 彰編
(新赤版1434)

 
 
 

 先生と子どもの関係は、こんなに多様!

 「先生!」―この言葉から思いつくエピソードは何ですか? 池上彰さんの呼びかけに、現場の先生をはじめ、作家、医師、職人、タレントなど、各界で活躍の27人が答えました。しかもエッセイのどこかに、「先生!」の一言を使うというミッション付き。

 いじめ、体罰問題、教育制度改革……、いろいろ議論はあるけど、子どもと先生との関係は、いろいろアリ! 読みたい、と思ったところから、ページをめくってみてください。魅力的なエッセイが満載です。

     
 

■編者からの呼びかけ(抜粋)

 教育現場をめぐっては、このところ心痛む事件が相次いでいます。事件を受けての学校や先生、教育委員会、首長の対応にも首を傾げることが多く、一段と情けない思いが募っています。

 しかし、海外と日本の教育現場を見てきた私からすると、日本の教育レベルは、まだまだ世界に誇っていいことがたくさんあると思うのです。それは「学力」に関しても同じです。「学力」とは何かを考えることなく、安易に「学力低下」という言葉を使ってほしくないと思ってしまいます。

 おっと、思わず悲憤慷慨してしまいました。

 日本の教育が厳しい状況になっていることは確かでしょうが、現場の先生たちの頑張りで、かろうじて高いレベルを維持できているのも事実です。そんな先生への期待が高いがゆえに、先生への批判も高まるのでしょう。先生への批判は、高い期待の裏返しでもあると思うのです。

 そんな先生たちを励ます本を世に出したい。これが、私と編集部の共通の認識です。この本のタイトルは『先生!』です。「先生!」と呼びかけるのは、生徒の立場からでしょうか、保護者の立場からでしょうか、同僚の先生の立場からでしょうか、あるいは、自分自身に向かってでしょうか……。

 いろんな思いの詰まった本ができれば、こんなにうれしいことはありません。

     
 

■編者紹介
池上 彰(いけがみ・あきら)1950年生まれ。NHKで記者、キャスターを歴任。1994年より11年間「週刊こどもニュース」のお父さん役を務める。2005年退社、以後フリーに。現在、ジャーナリスト、東京工業大学教授。著書に『そうだったのか! 現代史』『伝える力』『先送りできない日本』『池上彰の政治の学校』『学び続ける力』ほか多数。

     
  ■目次   
       
  はじめに―それぞれの人にとっての先生 池上 彰  
       
  センセイの最期 しりあがり寿  
  西日の渡り廊下で 天野 篤  
  想像力は無限だ 岡野雅行  
  「歌の時間」 稲泉 連  
  先生がくれた、光 押切もえ  
  先生は…… 関口光太郎  
  大切な「症状」 田中茂樹  
  手 紙 増田ユリヤ  
  柔道とは? 山口 香  
  中学・高校生に願うこと 柳沢幸雄  
  巨大な疑問符を与えてくれた 鈴木邦男  
  実はすごい、日本の教育 パックン  
  「抗う」こと 安田菜津紀  
  学びの同志おっちゃん 市川 力  
  80歳を超えた中学生 太田直子  
  紅茶の味 李 相日  
  ことばの裏にある子どもの声を聴く 渡辺恵津子  
  「消費者的感覚」に立ち向かう 武富健治  
  作る、壊す、作る 武田美穂  
  人生最初の「先生!」は…… 姉小路祐  
  逃げろ、逃げろ! 石井志昂  
  先生と子どもの関係 鈴木 翔  
  色えんぴつ 乙武洋匡  
  詩が開いた心の扉 寮 美千子  
  自分の物差し 山口絵理子  
  とらわれちゃだめだ 平田オリザ  
 

〈インタビュー〉
学問を武器にして生徒とわかりあう

太田 光  
     

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
子どもの危機をどう見るか
尾木直樹 新赤版686
教師が育つ条件 今津孝次郎 新赤版1395
子どもが育つ条件―家族心理学から考える 柏木惠子 新赤版1142
教育力 齋藤 孝 新赤版1058
本への扉―岩波少年文庫を語る 宮崎 駿 新赤版1332
 
 
 



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