編集部だより






 
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農山村は消滅しない
小田切徳美著
(新赤版1519)

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 地方が消えれば、
  都市は生き残れない

■著者からのメッセージ

 「地方消滅論」が農山村に強いインパクトを与えている。「どうせここは消滅する地域なのだ」という「諦め」の気持ちは確実に拡がり始めている。「消滅論」は「地方創生にむけた警鐘」どころか、政治的な「地方たたみ」の尖兵となりつつある。

 他方で、農山村の内発的な「地域づくり」は、自らの地域の課題に立ち向かっている。その取り組みは、現場の知恵にあふれている。そして、そこには都市の若者を中心とする応援団が合流しつつある。「田園回帰」の動きである。「地方消滅論」が見逃した、農山村の可能性がここにある。

 いま、農山村では「諦め」と「可能性」がつばぜりあいを演じている。これが、日本の将来に直結する農山村の現実である。それに対して、私たちは何ができるのか。読者とともに考えたい。

     
 

■著者インタビュー

 

     
 

■著者紹介
小田切徳美(おだぎり・とくみ)1959年生まれ。明治大学農学部教授。農政学・農村政策論・地域ガバナンス論。東京大学大学院農学研究科博士課程単位取得退学(農学博士)。(財)農政調査委員会専門調査員、高崎経済大学助教授、東京大学大学院助教授などを経て、現職。
 著書に『日本農業の中山間地帯問題』(農林統計協会。1996年日本農業経済学会奨励賞受賞)、『共生と協働によるまちづくり読本』(共著、ぎょうせい)、『日本農業―2005年農業センサス分析』(編著、農林統計協会)、『農山村再生 「限界集落」問題を超えて』(岩波ブックレット)、『農山村再生に挑む―理論から実践まで(編著、岩波書店。2014年地域農林経済学会特別賞受賞)、『地域再生のフロンティア』(共編著、農山漁村文化協会)など多数。

     
  ■目次   
     
   はじめに  
 

 

 
 
序章
「地方消滅論」の登場  
   
 
第I章
農山村の実態―空洞化と消滅可能性  
  1 進む農山村の空洞化
2 強靭な農山村集落
3 農山村の展望―増田レポートを考える
   
 
第II章
地域づくりの歴史と実践  
  1 「地域活性化」から「地域づくり」へ
2 「地域づくり」の体系化への挑戦
3 地域づくりのフレームワーク
4 地域づくりの三つの柱
   
 
第III章
地域づくりの諸相―中国山地の挑戦  
  1 地域づくりの先発事例―山口県山口市仁保地域開発協議会
2 新しいタイプの地域づくり
 (1)コミュニティによる住宅整備―広島県三次市青河地区
 (2)新たな「村」の創造―岡山県津山市阿波地区
3 なぜ、中国山地か―事例の位置づけ
   
 
第IV章
今、現場には何が必要か―政策と対策の新展開  
  1 補助金から交付金・補助人へ
2 支援主体のあり方
3 新しい政策の位置づけ
4 「補助人」の役割と課題
   
 
第V章
田園回帰前線―農山村移住の課題  
  1 田園回帰の今
2 農山村移住の実態―「あったかく」「かっこいい」地域へ
3 農山村移住への支援策
4 農山村移住の課題
   
 
終章
農山村再生の課題と展望  
  1 消滅しない農山村の仕組み
2 政策論議の争点―農村たたみ
3 都市・農村共生社会に向けて―国民的議論と選択
   
   あとがき

 

  ■岩波新書にはこんな本もあります  
 
縮小都市の挑戦
矢作 弘 新赤版1514
里の時間 芥川 仁、阿部直美 新赤版1511
食と農でつなぐ 福島から 塩谷弘康、岩崎由美子 新赤版1497
地域の力―食・農・まちづくり 大江正章 新赤版1115
地域再生の条件 本間義人 新赤版1059
 
 
 
 
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