■愛知万博が今後の日本のアセスメントを左右する
1997年6月に成立した環境影響評価法(アセス法)には,対象事業に例外を認めないこと,代替案の比較検討,住民参加の促進など多くの改善点が盛り込まれた.アセス法の試行がなされている愛知万博では,その理念が生かされぬまま事業者によるアセスメントが進んでいる.持続可能な発展を実現するためには,“何もしない”という代替案を比較検討する,より進んだアセスの実行が不可欠だ(原科幸彦氏,p.
616).
定性的な評価だけでは,開発や事業による環境への影響を正しく見積もることはできない.誰の目にもわかるような客観的・定量的な評価手法・結果に基づく科学的なアセスメントによって,豊かな生物多様性をもつ里山生態系の価値を正しく評価すべきである.このままでは,新アセス法で日本の自然を守ることはできない(松田裕之氏,p.
632).
■“環境を大切にする万博”は,里/里山の自然を守れるか
万博予定地である海上の森は,東海地方に特有の小さな生態系が集まってできた里/里山であり,植物,昆虫などの種数が多く,多様度が高い.会場予定地周辺には,すでに開発された広大な代替地がいくつも存在する.アセスメントに生態学的視野をとりいれることで,自然をこれ以上壊さずに万博をおこなうことも可能だ(八田耕吉氏,p.
620).
自分の家の庭のように海上の森に親しんでいる人々がいる.毎週おこなわれる観察会や自然保護協会の詳細な調査によって,豊かな生態系とのさらに深いつきあい方が生まれてきた(曽我部行子氏,p.
628).
■双極流発見がもたらした惑星系形成の新しいシナリオ
隕石の高精度の年代測定の結果やその生成環境についての新しい知見を総合すると,大規模で激しい物質の循環によって太陽系が誕生したというまったく新しいモデルが導ける.(圦本尚義氏・倉本圭氏,p.
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■鉱物の不均質構造から造山運動の記録を読み解く
海洋地殻の沈み込み,大陸と大陸の衝突などによる造山運動の結果,数千万年から数億年かけて生じる変成岩には,その間の温度・圧力の上昇や下降を記録した鉱物が含まれている.組成累帯構造などの丹念な解析によって,結晶成長,下部地殻の溶融など,地殻中のさまざまな物理化学的過程が明らかになってきた.(坂野昇平氏・廣井美邦氏,p.
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■炭素でできた極微のチューブの不思議な性質
炭素でできた直径わずか数nm(1nm=10億分の1m)のチューブ,カーボンナノチューブは,その半径や巻き方の違いで金属にも半導体にもなるという不思議な性質を示す.異なる構造のチューブでもつながることが,理論および実験からわかっている.チューブを自在に扱えるなら,nmサイズのデバイスを作ることも可能だ.(齋藤理一郎氏,p.
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