科学

2006年3月号
(Vol.76 No.3)

目次

感情と理性は対立するものとみなされてきた.しかし,最新の認知神経科学によれば,感情と理性は相互に密に作用しあうという仮説が大きな支持を得てきている.(R. エイドルフ・土谷尚嗣)

現在の脳科学と脳理論は,デカルトが切り開いた地平で発展し,デカルト自身が気付いていた難問に出会っている.デカルトが脳理論を創始した次第を振り返る.(小泉義之)

脳の活動から心を読むことは可能か? われわれは脳と心の関係を本質的に理解できたとは言い難い.しかし,初歩的なマインド・リーディングは実現している.(神谷之康)

脳と性腺は二元論的に考えやすい.脳は性ホルモンによって雌雄分化し,性成熟後は脳が生殖機能を調節する.脳と性腺の相互作用をみる.(佐久間康夫)

 

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特集=意識・脳・身体の接続へ──デカルトの夢と最新脳科学

感情と脳の相互作用──認知神経科学から見たデカルトの間違い R. エイドルフ・土谷尚嗣
脳理論の創始者としてのデカルト 小泉義之
マインド・リーディングは可能か 神谷之康
内分泌調節に見る脳と身体の相互作用──性ホルモンがおこす不思議 佐久間康夫
リカーシブな意識の脳内表現──ワーキングメモリを通して自己と他者を知る 苧阪直行
意識を担うダイナミクス 池上高志
局所神経回路モデルとしての網膜 細谷俊彦
意識と注意の脳内メカニズム──「見える」ことと「見る」ことは違うか? 土谷尚嗣
[コラム]
  クオリアの哲学 信原幸弘

〈先端レポート〉
それでも急速に前進するヒトES細胞研究 中辻憲夫

〈総説・報告〉
ネットワーク的思考で生命現象をよみとく 杉峰伸明・大塚一路・有田正規・合原一幸

稲作に生物多様性をとりこむ試み──「ふゆみずたんぼ」による人・水鳥・田んぼの生き物の共生をめざして 伊藤豊彰

医療の課題を浮き彫りにする尊厳死 大田満夫

巻頭エッセイ 学ぶ・創る・遊ぶ
  生き物のしぶとさ 小平桂一

科学通信
科学ニュース:2005年12月の日本の異常低温と大気大循環  前田修平
科学ニュース:アロマファーマコロジーの可能性──エッセンシャルオイルの生体応答性の科学的評価  桜井 弘
大地の動き・人の知恵:北海道十勝岳の噴火と火山砂防  鎌田浩毅


地球・環境・人間(第9回)
初の「高潮難民」の集団移住
 石 弘之

カワンセラー三十六河川を行く(第10回) 由良川/石狩川/ドナウ川 山中康裕 

石原純をたずねて(第3回) 物理学者への道(2) 西尾成子

〈認知科学な〉日常(第10回) 子どもの楽観さを失わせるな 田中茂樹

ちびっこチンパンジー(第51回) 「かげ」から奥行きを知覚する 伊村知子

カミオカの地底から(第10回)小さな実験の底力 横山広美 

京都発地球生態資源への旅(第28回)照葉樹林とヤクの世界──美しき国ブータン(3)雪の森からモミの老熟林を歩く 山田 勇

文化としての科学の本(第4回) 佐々木政子/科学と文化を結ぶ会

心にのこる1冊
エドムント・フッサール著『現象学の理念』 竹田青嗣

書評
ブライアン・フェイガン著『古代文明と気候大変動──人類の運命を変えた二万年史』(河出書房新社) 佐藤宏之 評
ブライアン・チャールズワース,デボラ・チャールズワース著『進化』(岩波書店) 斎藤成也 評

50年前には

次号予告/編集後記

 

 

 

 



 

 

 

 

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