科学

2010年10月号
(Vol.80 No.10)

目次

生物多様性条約締約国会議が名古屋で開かれる機会に、生物多様性が改めて注目されています。本誌では、科学と条約をめぐる枠組みの動向を俯瞰し、広く生物に関わる分野から第一人者がそれぞれの見方を紹介します。表紙と特集扉の写真は、水越武氏の作品です。

 

  

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特集 
生物多様性はなぜ大切か

生物多様性が求める分野複合的な枠組み─その科学と条約をめぐる動向  中静透
動物園・水族館とフィールド研究者の連携─多様性研究の視点から  幸島司郎
農業生物多様性の喪失と第二の「緑の革命」─農業生態系の変化にこそ注意が必要だ 北林寿信
都市と生物多様性 森本幸裕
生物多様性という関係価値─利用と保全と地域社会 阿部健一

[私はこう考える]
宇宙で唯一無二の歴史  西田治文
「豊饒の海」を見直そう 北里洋
生態系サービスと人類の生活向上 松本忠夫
多様なゲノム情報はなぜ大切か? 美宅成樹
生物多様性と人間理解─類人猿が教えてくれる人間の本性 長谷川寿一
多様性が著しく減少した人類 斎藤成也
人類生存は微生物のお陰 今中忠行

[地域で取り組む]
米軍飛行場候補地を緊急調査する 沖縄・辺野古の海 大野正人
照葉樹林を守りはぐくむ 宮崎県綾町 小川渉
コウノトリと共に生きる 兵庫県豊岡市 佐竹節夫

[特別インタビュー]
社会的共通資本としての生物多様性 宇沢弘文
日本列島の海の生物の多様性─加藤論文に準拠して 宇沢弘文

巻頭エッセイ 学ぶ・創る・遊ぶ
人間中心世の変動環境と生物多様性 鷲谷いづみ

科学通信
オピニオン: 博物館にもっと力を 相川稔
コラム ドイツ環境政策通信: 自然の代弁者?─環境・自然保護団体 今泉みね子
コラム 地球の眼: 地球最古の地質学的証拠をめぐる論争 川上紳一・東條文治
〈時〉の本・〈ことば〉の現在: あらためて脳の可塑性と記憶について─シナプス発芽のダイナミズム 大隅典子

……………報告・解説…………………………………………
自然科学と国際政治の融合としての地球環境問題 米本昌平

新連載
黒鉄の志士たち─反射炉建設と大砲鋳造への挑戦 (第壱回)不審船到来
 植松三十里

脳のなかの有限と無限(第19 回)共同体という名の脳機能体系(3) 大橋力

星砂Times(第33 回)タイの貝類会議 中嶋康裕

探検昆虫学者から観たコスタリカ(第4回)世界遺産の熱帯乾燥林 西田賢司

ちびっこチンパンジーと仲間たち(第106回)幸島探訪 佐藤義明・林美里

森里海連環学ことはじめ(第4回)海の森と山の森 田中克

広辞苑を3倍楽しむ(第33回)有明海 佐藤正典

心にのこる 1冊
朝永振一郎著『日記・書簡』 佐々木閑

書評
小松美彦・香川知晶編著『メタバイオエシックスの構築へ』 柘植あづみ 評

50年前には/75年前には

編集部に届いた本から

次号予告

表紙=コケモモ,ガンコウランが実る秋の恵み,羅臼平.『水越武写真集 知床 残された原始』より.

 

 

 

 



 

 

 

 

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