ホワット・ア・うーまんめいど ―ある映像作家の自伝―


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編集部だより
著者からのメッセージ

出光真子
 映像作家である私が自伝を書いたのは新聞連載がきっかけでしたが,自分でも意外なほどに,書きたいことが次々と込みあげてきました.それはこころのスクリーンに映った様々な記憶や感情の痕(あと)を改めて分析し,ことばに置き換える作業でした.それゆえに,この書物もまた,私の映像作品と変わらぬ<作品>であると言えます.けれども,改めて今,私をこの自伝へと突き動かした思いは何かと考えるなら,物質的な豊かさが幸せにはつながらないということ――それは戦後の日本社会についても言えることであり,物質的な豊かさを追い求めて来た結果,抱えることになった問題と直面しなければならない現在に強い危惧を抱いたからかも知れません.


著者紹介

出光真子(いでみつ・まこ)
1940年生まれ.早稲田大学文学部卒.1965年より米国に移住し,8ミリと16ミリによる映像制作を始める.1973年帰国後にビデオと出会い,以後,日本と米国を往復しつつ創作を続ける.東京ビデオフェスティバル特別賞(1980),モンディアルヴィデオ祭最優秀実験作品賞(1991),シモーヌ・ド・ボーヴォワール・ヴィデオ祭奨励賞(1992)受賞.ニューヨーク近代美術館,カナダ国立ギャラリー,ポンピドゥー・センターなど,国内外の多数の美術館にその作品が収蔵されている.


目次

1 父の名をのがれて
ふたつの家/母のチェルシー・ホテル/サム・フランシス「とにかく変わった人たちですね」/内緒で日本を発つ
2 ハレーションの陽の中で――60's in California
プロフェッショナル・アーティスト・ワイフ/サンタ・モニカの家/ヘンリー・ミラーの卓球台/アナイス・ニンの日記
3 フィルムをたぐりよせる
自分の目がカメラになった/CR(意識覚醒)グループ/作品を見せた! /ライ・クーダーに励まされて/ジェイムス・タレルの光
4 創る女たち
ジュディ・シカゴと「ウーマンハウス」/一六ミリを編集する/創りなさい.いやちょっと待て/おんなのさくひん/創造が歩きはじめる
5 片足ずつ,日本とアメリカ
サムシング・ウィズイン・ミー/お母さんはムービーカメラをのぞいている/サムの拒絶/「ホーキ星」の女たち
6 わたしは母・主婦・制作者
僕の名はイサム・ノグチ/主婦のタンゴ/何がいちばん,大切なのか?
7 父の情景
モニターにこころの情報を映す/父なるものとの別離
8 家族神話
アニムスとグレート・マザー/家族とは何なのだろう/こまぎれの時間の中で/
9 エド,あなたはどう生きたかったの?
郭公の巣の上で/アンの微笑み/ハッピー・バースデイの人形
10 私がつくる.私をつくる.
スティル・ライフ/サムの死/人は女に生まれない.女になるのだ.
11 裁 判
 
あとがき




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