意識の探求 (上)
神経科学からのアプローチ
世界の注目を集めた著者らの成果をはじめ,意識研究の最前線をバランスよく解説.研究ガイドとしても読み物としても面白く読める.
DNA二重らせんでノーベル賞をとったクリックが晩年情熱を傾けて研究したのが「意識の研究」.著者はその片腕として精力的に論文を発表した.哲学,脳科学,心理学,さらには物理,計算機も含め,これまでの意識研究のすべてを精査・評価し,その上で独自の見解を明快に述べる.研究の最前線を知るバランスのよいガイド.
■編集部からのメッセージ
本書は,意識に関するこれまでの研究成果や言説を知りたいと思えば,まずお勧めしたい本です.脳科学や認知科学はもちろんさまざまな分野で得られた「事実」の集大成といってもよい本です.そのため本は上下巻の2冊で大部ですが,上手く整理されてあたかも小説仕立てのように非常に読みやすく書かれています.各章は相互に関連はしていますが,独立して読めるように工夫されています.気になる章から拾い読みも可能です.
とくに,1章は,これまでの研究の恰好の総説になっていますので,ざっと概観したいときには便利です.また,最終章の20章は,「インタビュー」という形で,著者の問題意識をわかりやすく紹介していますので,この分野はまだ初心者だと言われる方には,とても親切な導入になっています.
■上巻
フランシス・クリックによる序文
まえがき
訳者まえがき
1 意識研究入門
2 ニューロン――意識にとっての原子
3 視覚経験への最初の第一歩
4 代表的な大脳新皮質,第一次視覚野(V1)
5 意識と相関する神経活動NCCとは何か?
6 第一次視覚野に意識に相関しているニューロンはない
7 大脳皮質の構造
8 第一次視覚野以降の視覚野
9 注意と意識
10 注意を支えるニューロンのメカニズム
用語集
索引
■下巻
11 記憶と意識
12 無意識の内にできること――我々の中に潜むゾンビ
13 失認,盲視,癲癇,夢遊病――ゾンビの病理学的証拠
14 意識にはどんな機能がありうるか
15 時間と意識
16 知覚が反転するとき――意識の足跡をたどる
17 脳を二つに分断すると,意識も二つになる
18 思考と非意識ホムンクルスについての推測
19 意識研究の枠組み
20 インタヴュー
用語集
索引
フランシス・クリックによる序文
まえがき
訳者まえがき
1 意識研究入門
2 ニューロン――意識にとっての原子
3 視覚経験への最初の第一歩
4 代表的な大脳新皮質,第一次視覚野(V1)
5 意識と相関する神経活動NCCとは何か?
6 第一次視覚野に意識に相関しているニューロンはない
7 大脳皮質の構造
8 第一次視覚野以降の視覚野
9 注意と意識
10 注意を支えるニューロンのメカニズム
用語集
索引
■下巻
11 記憶と意識
12 無意識の内にできること――我々の中に潜むゾンビ
13 失認,盲視,癲癇,夢遊病――ゾンビの病理学的証拠
14 意識にはどんな機能がありうるか
15 時間と意識
16 知覚が反転するとき――意識の足跡をたどる
17 脳を二つに分断すると,意識も二つになる
18 思考と非意識ホムンクルスについての推測
19 意識研究の枠組み
20 インタヴュー
用語集
索引
クリストフ・コッホ Christof Koch
コッホ氏は,現在カリフォルニア工科大学教授.生物物理学的コンピューター・シミュレーションを軸にして神経科学を研究してきた理論家です.序文を寄せた亡きフランシス・クリック(二重らせんの研究でノーベル賞)とともに意識に関する共同研究をおこない,高い評価を受けてきました.本書に関してホームページ( http://www.questforconsciousness.com/ )が開設されていますので,関心のある方はぜひご覧ください.
土谷尚嗣(つちや なおつぐ)
金井良太(かない りょうた)
両氏は,ともに著者と同じ,カリフォルニア工科大学の気鋭の研究者です.おふたりの研究については,それぞれのURL( http://www.emotion.caltech.edu/~naotsu/ , http://neuro.caltech.edu/~ryota/ )にアクセスしてみてください.コッホ氏の教授らしからぬ風貌・挙動は「訳者まえがき」に書かれています.
コッホ氏は,現在カリフォルニア工科大学教授.生物物理学的コンピューター・シミュレーションを軸にして神経科学を研究してきた理論家です.序文を寄せた亡きフランシス・クリック(二重らせんの研究でノーベル賞)とともに意識に関する共同研究をおこない,高い評価を受けてきました.本書に関してホームページ( http://www.questforconsciousness.com/ )が開設されていますので,関心のある方はぜひご覧ください.
土谷尚嗣(つちや なおつぐ)
金井良太(かない りょうた)
両氏は,ともに著者と同じ,カリフォルニア工科大学の気鋭の研究者です.おふたりの研究については,それぞれのURL( http://www.emotion.caltech.edu/~naotsu/ , http://neuro.caltech.edu/~ryota/ )にアクセスしてみてください.コッホ氏の教授らしからぬ風貌・挙動は「訳者まえがき」に書かれています.
書評情報
読売新聞(朝刊) 2014年9月14日
日本経済新聞(朝刊) 2006年8月6日
日本経済新聞(朝刊) 2006年8月6日