本書は,理工系志望であるにもかかわらず,大学での物理の授業にどうもうまくついていけないというような学生に,まずは微積分について,その基礎を徹底的に暗記せよ,またベクトルはこういう見方をすると納得できる,といったいわば“物理になじむためのコツ”のようなものから始まる.そしてまた,やや難解な回転系の話については,身近にあるジャイロや天体の話題をとりあげて懇切丁寧に説明し,学生たちの興味をそそるようにさまざまな工夫が凝らされている点も本書の面白いところだ.
絶えず学生あるいは読者に語りかけ,新しい考え方を伝えようとするウィットとユーモアにあふれたファインマンの名講義の調子を訳文のなかでも伝えるべく努力したつもりだが,その成果はどうであろうか.(本書「訳者あとがき」より) |