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世界を知る101冊

科学から何が見えるか

科学とどのようにして付き合っていったらよいのか? 書評家としても名高い天文学者が読書案内で答える.

世界を知る101冊
著者 海部 宣男
ジャンル 書籍 > 単行本 > 自然科学総記
書籍 > 自然科学書
刊行日 2011/06/09
ISBN 9784000062787
Cコード 0040
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 262頁
在庫 品切れ
現在の科学の到達点は? 問題や課題はどこにあるのか? 私たちは科学とどのようにして付き合っていったらよいのか? 書評家としても名高い天文学者が,独自の視点から厳選した本を8分野に分けて紹介.不確実な今,さまざまな疑問に答える本へと導く.「科学の本」の読み方,楽しみ,科学という活動の奥深さもあわせて伝える.


■編集部からのメッセージ
 書評家としても定評のある天文学者の,15年におよぶ読書の記録であり,科学全般への総合的なガイドです.科学の本のガイドブックであると同時に,「科学とは世界を知ること」とする著者の科学批評としてお読みいただけます.
 著者は1997年1月から,毎日新聞日曜日の紙面「今週の本棚」に,ほぼ月1回,書評を書いてきました.「今週の本棚」では,評者が自分で取り上げたい本を選ぶ点に,まず特徴があります.そして,本欄の創始者である丸谷才一氏の「書評はそれ自体が独立した批評であるべし」という書評文化論に基づいて書かれています.わたしは従来より本欄のファンでしたが,編集作業を通して著者の評に改めて接し,読み返した本も,本屋さんに走って購入した本もあります.
 「今週の本棚」で科学を中心に取り上げてきた150冊から,とくに今こそ読まれるべき101冊に絞りました.未曾有の自然災害や原発災害を前にして,現代社会と科学の矛盾を前にして,読むべき本も多数紹介しています.さらに書き下ろしの各章コラムでは,第一線の科学者ならではの科学・技術論を展開しています.
 不確かな時代の科学への確実なガイドブックとして,本書が大いに役立つことをお約束します.


■著者からのメッセージ
 自然を正しく知らなければ,また私たち人間が自然に対して何をしているかを知らなければ,人類文明の未来は闇である.未来のために科学の見通しに基づいた賢い政策をとれるよう,日本社会も,科学を基礎においた組織・システムに変わってゆくことが必要だ.そのためには科学者自身も広い視野を持たねばならない.
 「知りたがりの動物」である人間は,知りたがりという特性を活かすことでしか,困難な未来を切り拓いてゆくことはできないのである.
 科学の本を読むこと・紹介することからも,そうした未来につながってゆければと願っている.
――「あとがき」より
Ⅰ サイエンス――世界を「知る」ということ
 コラム1 認識の果てが,宇宙の果てである
Ⅱ 人間――私たちはどこから?
 コラム2 「自分自身に迫る科学」の難しさと魅力
Ⅲ 生命――この不思議なもの
 コラム3 今,「進化」が面白い
Ⅳ 科学の冒険者たち――好奇心を抱きつづけて
 コラム4 科学は,かく作られてきた
Ⅴ ちょっと息抜き――文系世界を楽しむ
 コラム5 理系と文系
Ⅵ 歴史と文化――人間の歩みをたどる
 コラム6 人間の記憶と時間を復元すれば
Ⅶ 現代社会と科学――矛盾はなぜ生まれる?
 コラム7 科学と社会は対立するか
Ⅷ 未来――科学から見えてくるもの
 コラム8 「科学のための科学」と「社会のための科学」
あとがき
海部宣男(かいふ のりお)
1943年生まれ
1966年東京大学教養学部基礎科学科卒業
現在―放送大学教授,国立天文台名誉教授
著書―『銀河から宇宙へ』(新日本新書)
『宇宙をうたう』(中公新書)
『望遠鏡』(岩波書店)
『宇宙のキーワード』(岩波ジュニア新書)ほか
共著書『宇宙の謎はどこまで解けたか』(新日本出版社)
『カラー版 すばる望遠鏡の宇宙』(写真・宮下曉彦,岩波新書)
『理科読をはじめよう』(滝川洋二編)ほか

書評情報

ビッグイシュー 197号(2012年8月15日)
全国革新懇ニュース 2012年2月号
毎日新聞(朝刊) 2012年1月8日
理科教育ニュース 第825号(2011年8月8日)
日本農業新聞 2011年6月25日

受賞情報

第10回毎日書評賞(2011年度)
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