光学ハンドブック

基礎と応用

さまざまな分野で関心が高く,物理学の理解に必須である光学の基礎と応用とのつながりをわかりやすくまとめる.

光学ハンドブック
著者 宮本 健郎
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 物理・化学
刊行日 2015/01/15
ISBN 9784000063029
Cコード 3042
体裁 A5 ・ 並製 ・ カバー ・ 288頁
在庫 品切れ
光学の応用範囲は光通信,光集積回路を中心に著しく進展し,さまざまな産業で関心が持たれている.その一方で光は,物理学の変革のなかでいつも重要な役割を果し,物理学の理解に必須の基礎的事項でもある.このハンドブックでは光学の基礎的内容を簡潔に説明し,最新の応用とのつながりをわかりやすくまとめる.


■著者からのメッセージ
 光学の応用分野は種々の光学械器(分光器,干渉計,各種光学レンズ系など)の性能の絶えざる向上によって広がっているが,特にレーザーの登場以来,ホログラフィー,光通信,光集積回路などの新しい分野においても著しい進展がみられる.
 一方,光は,物理学の変革のなかで,いつも重要な役割を果してきた.そのため光に関連する重要な内容が,量子力学,相対性理論,量子エレクトロニクスの科目にとりこまれるようになり,大学における必修科目から光学が消えてしまっているのが現状である.そのためか,有用な光学の基礎的知識にふれる機会を持たない学生が増えているようにも思われる.
 この教科書では光学の基礎的内容を簡潔に説明し,新しく発展してきた興味ある分野とのつながりに留意してまとめるように心がけた.
――「まえがき」より
まえがき

第1章 光の性質
1.1 光の波動説
1.2 光の二重性
1.3 光と相対論
参考文献

第2章 波動光学
2.1 平面波の屈折と反射
2.2 回折と回折格子による分光器
2.3 マイケルソン干渉計,可干渉距離とスペクトル幅
2.4 干渉分光
2.5 ファブリー-ペロー干渉計
2.6 波動方程式,キルヒホッフの積分公式
2.7 結像光学系の分解能,ヤングの回折パターン
2.8 位相速度と群速度
参考文献

第3章 幾何光学
3.1 フェルマーの原理
3.2 測光(輝度不変性)
3.3 光線追跡
3.4 近軸結像方程式
3.5 光学設計における収差の表示
3.6 反射光学系の光線追跡
3.7 各種レンズ系
参考文献

第4章 結像理論,像合成
4.1 点像と光学伝達関数
4.2 顕微鏡の結像理論
4.3 周辺回折波,コロナグラフ
4.4 サイドルッキング・シンセティックアパチャーレーダ
4.5 電波望遠鏡
4.6 スダレコリメーター
4.7 ホログラフィー
参考文献

第5章 自由電子レーザー,光ファイバ通信,2次高調波発生などの応用
5.1 レーザー光のモード
5.2 自由電子レーザー光
5.3 光ファイバ
5.4 光ファイバ通信
5.5 光集積回路
5.6 2次高調波発生
5.7 音響光学素子
参考文献

第6章 マクスウェルの方程式による解析
6.1 マクスウェルの電磁方程式
6.2 フレネルの透過率と反射率
6.3 多層膜,反射防止膜,分光フィルター
6.4 2次元光導波路と光ファイバ
6.5 結晶媒質中の光の伝搬
6.6 結晶素子(1/4,1/2波長板,Qスイッチ,位相変調器)

参考文献
索引
宮本健郎(みやもと けんろう)
1931年生まれ
1955年東京大学理学部物理学科卒業
1955~1959年日本光学工業(株)(現ニコン)
1961年ロチェスター大学理系大学院(光学研究所)修了
名古屋大学プラズマ研究所教授,東京大学理学部教授,成蹊大学工学部教授を歴任
東京大学名誉教授
専攻 プラズマ物理,光学計測
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