ことばの意味とはなんだろう

意味論と語用論の役割

語用論的意味が言語形式自体の意味論的意味に制約されていることを論じ,意味の科学はどうあるべきかを示す.

ことばの意味とはなんだろう
著者 今井 邦彦 , 西山 佑司
ジャンル 書籍 > 単行本 > 言語
刊行日 2012/10/26
ISBN 9784000063135
Cコード 3081
体裁 A5 ・ 並製 ・ カバー ・ 324頁
在庫 品切れ
「文形式の意味」を扱う意味論と,脈絡に左右されることに特徴をもつ「発話の意味」を扱う語用論.従来その境界を曖昧にしたまま意味が論じられてきたが,関連性理論が両者の守備範囲を明確にした.語用論的意味が言語形式自体の意味論的意味に制約されていることを多くの具体例を用いて論じ,意味の科学のあるべき姿を提示する.

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「文形式の意味」を扱う意味論と,脈絡に左右されることに特徴をもつ「発話の意味」を扱う語用論.従来その境界を曖昧にしたまま意味が論じられてきたが,関連性理論が両者の守備範囲を明確にした.語用論的意味が言語形式自体の意味論的意味に制約されていることを多くの具体例を用いて論じ,意味の科学のあるべき姿を提示する.


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今井邦彦,西山佑司 著
ことばの意味とはなんだろう――意味論と語用論の役割
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まえがき 
第1章 ことばの意味 
1.1 同じ文のさまざまな解釈
1.2 意味論と語用論
1.3 言語表現と伝達
1.4 真理条件的意味論
第2章 意味はどのように捉えられてきたか
2.1 近世の哲学者たち――記号論理学
2.2 自然言語も対象に
2.3 近年の言語研究における意味の扱い
2.4 科学の諸相
第3章 コミュニケーションと意味――関連性理論(認知語用論)
3.1 関連性理論(認知語用論)――演繹法則的科学を目指す唯一の語用論
3.2 発話解釈の特性
3.3 語彙語用論
第4章 語や句の曖昧性はどこからくるか
4.1 曖昧性とは何か
4.2 語はどこまで曖昧か
4.3 語と語の緊張関係にいかなるものがあるか
4.4 語と語の緊張関係がもたらす曖昧性
第5章 文の曖昧性はどこからくるか
5.1 文の曖昧性をもたらす要因
5.2 文の統語構造が曖昧性をもたらす
5.3 要素の力の及ぶ範囲が曖昧性をもたらす
5.4 文中の名詞句の意味機能が曖昧性をもたらす
5.5 束縛変項読みと自由変項読み
5.6 because構文の曖昧性
5.7 指示的不透明性と指示的透明性
5.8 変項名詞句と潜伏疑問文の組み合わせ
第6章 意味をどう科学するか
6.1 表現の意味と話し手の意味
6.2 文の意味はいかにして捉えられるか
6.3 ウナギ文の意味
6.4 曖昧性と不明瞭性を区別する基準
6.5 語用論はどこまで意味論から自由であるか
6.6 意味の科学へ向けて
用語解説
参考文献
索 引
今井邦彦(いまい くにひこ)
1934年生まれ.1957年東京大学文学部英吉利文学科卒業.東京都立大学教授,学習院大学教授を経て,現在は東京都立大学名誉教授.文学博士.専門は音声学,統語論,語用論.
著書にEssentials of Modern English Grammar(共著,研究社出版),『英語の使い方』『語用論への招待』(以上,大修館書店),『ファンダメンタル音声学』『あいまいなのは日本語か,英語か?』(以上,ひつじ書房),『言語の科学入門』(共著,岩波書店)など,訳書にレカナティ『ことばの意味とは何か』(新曜社)など.
西山佑司(にしやま ゆうじ)
1943年生まれ.慶應義塾大学文学部文学科仏文学専攻・哲学科哲学専攻卒業.同大学院文学研究科博士課程哲学専攻単位取得退学.マサチューセッツ工科大学(MIT)哲学科博士課程修了.Ph.D.慶應義塾大学言語文化研究所教授を経て,現在,同大学名誉教授,明海大学外国語学部教授.専門は意味理論,語用理論,言語哲学.
著書に『日本語名詞句の意味論と語用論』(ひつじ書房),『意味論』(共著,大修館書店),『談話と文脈』(共著,岩波書店),『ことばワークショップ』(共著,開拓社)など.

書評情報

英語教育 2013年3月号
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