現代生物科学入門 1

ゲノム科学の基礎

ゲノムについて歴史的背景を概観しながら基本を解説.今後必須となるエピジェネティクスなども扱う.

ゲノム科学の基礎
著者 浅島 誠 , 黒岩 常祥 , 小原 雄治
ジャンル 書籍 > 単行本 > 生物学
書籍 > 自然科学書
書籍 > シリーズ・講座・全集
シリーズ 現代生物科学入門
刊行日 2009/10/08
ISBN 9784000069618
Cコード 3345
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 278頁
在庫 品切れ
DNA二重らせんの発見以来,もっとも大きな出来事としてヒトゲノムの解読があげられる.シリーズ全体のキーワードでもあるゲノムについて歴史的背景を概観しながら,細胞から個体まで現代生物科学の基本事項を解説.さらにこれからの生物科学を考えるうえで必須のエピジェネティクス,バイオインフォマティクスなどを扱う.

■編集部からのメッセージ

 第1巻に相応しい本に仕上がりました.これ1冊で,現代生物科学の新しい動向が見えてくること請け合いです.しかも,第1章は「ゲノム科学への道」と題して,これまでの歴史を丁寧に辿ります.それは,いわゆる教科書に記述されているような成功史ばかりでなく,失敗や困難のあった研究も含めて紹介しました.生きた研究史といえましょう.過去から学ぶべきことはまだまだ多々あります.
  さらに,続く2章からは,現在のゲノム科学の成果に一挙に踏み込みます.できるだけ生き物のイメージを大切にしながら解説していきます.それでも,分子生物学の大きな発展を踏まえて遺伝子の名前が多く出てきますが,それもまた現在の生物科学の光景といえましょう.エピジェネティクスやバイオインフォマティクスについては,基本事項から最新の成果まで,ていねいに解説するように工夫していただきました.明快ですぐに役立つ解説です.
  ダーウィン生誕200年,『種の起原』刊行150年を記念し,新しい生物科学書のスタートです.ぜひ多くの方に読んでいただきたい作品です.
 序――編集にあたって

1 ゲノム科学への道――メンデルからワトソンのゲノムまで
 1 メンデルの遺伝法則からモルガンの遺伝子へ
 2 遺伝子の化学的実体の探究
 3 遺伝子の働きを解く分子生物学の誕生
 4 第2期の分子生物学――DNAテクノロジーによる生物学の革命
 5 ヒト分子生物学の誕生――ヒトゲノム計画へのプレリュード
 6 ゲノム科学の誕生

2 ゲノムから細胞へ
 1 ゲノム配列決定から機能ゲノム科学へ
 2 変異体から探る遺伝的相互作用ネットワーク
 3 DNAチップで探る遺伝子発現制御ネットワーク
 4 プロテオミクスで探るタンパク質ネットワーク
 5 ゲノム時代の代謝マップ――代謝ネットワーク
 6 ネットワークが織りなす超ネットワーク
 7 本質の理解に向けて――分子ネットワークの動態と多様性

3 ゲノムから個体へ――発生分化の基本
 1 細胞が異なる性質を持った細胞へと分化するしくみ
 2 細胞外のシグナルを読みとるしくみ――シグナル伝達
 3 体の設計図
 4 体づくりを支える細胞の振る舞い
 5 ネットワークとしての発生制御――複雑な指令をどのように統御するのか
 6 多様性・進化のメカニズム

4 ゲノムの高度活用戦略――エピジェネティクス
 1 個体発生とエピジェネティクス
 2 エピジェネティクスとクロマチン
 3 エピジェネティクスの機構
 4 エピジェネティクスと細胞機能
 5 哺乳類の高度なエピジェネティクス現象
 6 多様性を生み出すエピジェネティクス
 7 エピジェネティクスの破綻と病気
 8 エピゲノミクス

5 ゲノムを読み解く――バイオインフォマティクス
 1 情報科学としての生物科学
 2 ゲノムの辞書と文法書
 3 配列の比較から進化を知る
 4 配列の特徴のモデル化
 5 バイオインフォマティクスの新しい流れ
 6 おわりに

 付 録 バイオインフォマティクス理解のためのデータベース
 遺伝学100年の年表
 索 引
小原雄治(こはら ゆうじ/序)
 国立遺伝学研究所所長
吉川 寛(よしかわ ひろし/第1章,年表)
 JT生命誌研究館顧問,大阪大学名誉教授,奈良先端科学技術大学院大学名誉教授
伊藤隆司(いとう たかし/第2章)
 東京大学大学院理学系研究科教授
上野直人(うえの なおと/第3章)
 自然科学研究機構基礎生物学研究所教授
佐々木裕之(ささき ひろゆき/第4章)
 国立遺伝学研究所教授
中井謙太(なかい けんた/第5章,付録)
 東京大学医科学研究所,ヒトゲノム解析センター教授
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