クマムシ?! 小さな怪物

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編集部だより


編集部からのメッセージ くまむし クマムシ 編集部から

(Dujardin, 1838 より改変)
 乾燥すると樽(たる)型に変身! 真空,高温,高圧,放射線にも耐え,電子レンジでチンしても平気.120年間水なしでも生き続ける生物がいる……?
 それは体長わずか1ミリ以下の微小な生物,クマムシ.テレビ番組「トリビアの泉」や,ベストセラー「へんないきもの」(バジリコ刊)で話題になり,食玩にもなりました.
 その愛くるしい姿から人気者になるのは当然ですが,数々の不死身伝説は本当なのでしょうか?
 伝説の真偽や200年以上前からの研究の歴史,クマムシに魅せられた著者の鈴木忠先生が試行錯誤で飼育に挑戦する笑いと苦労の物語など,生物研究のオモシロさが実感できる,日本初のクマムシ本です.
 図版は50点以上,他ではなかなか見られないファン必見の超レア図版も多数掲載しています.
 クマムシは身近にもたくさんいるので,観察方法も図解します.学校の先生からは,理科の教材としても注目されています.話題豊富なクマムシですから,生徒さんたちも興味津々で観察されることでしょう.自由研究にもオススメです.
みなさんも,不思議なクマムシの世界へようこそ!


乾燥して樽になるオニクマムシ→蘇生するオニクマムシ

(撮影:鈴木忠)

著者紹介

鈴木 忠(すずき あつし)
 1960年愛知県生まれ.
 子どもの頃,夏に一日だけ海へ連れて行ってもらうのが楽しみだった.いまだに潮溜まりで遊ぶ夢を見ることがある.
 少年時代は昆虫採集とプラモデル作りに熱中.
 名古屋大学理学部生物学科で選んだ道は昆虫変態に関する生理・生化学.古き良き時代の動物学と分子生物学の混ざった雰囲気の中で育ち,また当時名古屋にあった画廊(兼酒場)「がらん屋」では様々な人間模様を学ぶ.
 1988年同大学院を単位取得退学後,浜松医科大学で糖脂質に関する研究に従事.
 1991年より慶應義塾大学医学部生物学教室でコオロギ精子形成について研究し,1998年に金沢大学大学院自然科学研究科より学位取得.
 2000年よりクマムシの世界にはまる.2005年春より1年間コペンハーゲン大学動物学博物館で海産クマムシの卵形成について研究.
 趣味の音楽では,おもにバロックファゴットを演奏している.


歩くクマムシ前篇 歩くクマムシ後篇
歩くクマムシの画像がご覧になれます。(撮影:鈴木忠)
《くまむしナビ》
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目次

はじめに

1 クマムシってなに?
クマムシってムシ?/どんなムシか/動物の中での位置/からだのつくり/名前の由来/どこにいるのか/どうやって息をするのか/何種類いるのか

2 オニクマムシの生活史
コケのすき間をのぞく/クマムシを飼いたい!/飼えるのか?/肉食動物オニクマムシ/餌の問題/餌の問題 その二/餌のとり方/飼育環境の整備/世話に明け暮れる日々/クマムシのウンコ/脱皮/産卵/母と子/成長の記録と寿命/胚発生/クマムシの発生学/クマムシの性/残る謎の数々

●Coffee break オニクマムシの学名

3 クマムシ伝説の歴史
研究の幕開け/死と復活/『自然の体系』の一員となったクマムシ/19世紀のクマムシ/海のクマムシ/趣味の顕微鏡観察/クマムシはなぜかわいいのか?/20世紀前半の金字塔――エルンスト・マルクス

●Coffee break クマムシとカンブリア紀の怪物たち

4 クマムシはすごいのか?
「樽」とその耐久性/不死身なのか?/水を加えて三分待てば……/クリプトビオシス――秘められた生命/樽の中身はいったい?/樽になるための準備/電子レンジでチン/放射線照射に対する抵抗性/クマムシ以外のすごい奴ら/120年説――事実とフィクション/何年まで大丈夫なのか/クマムシゲノムプロジェクト/分子vs形態/屋根のコケ/そして宇宙のクマムシ?!

あとがき

付録 コケにすむ動物を見てみよう!





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