新装ワイド版 自然景観の読み方

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描かれているのは,自然のありさまと人の暮らし

内容紹介

地図は自然探究の最良の道具であり,風景の旅へといざなう友人でもあります.また,地図は現在の地表のありさまを語るとともに,風景の歴史を考えるヒントも教えてくれます.
本書の書名,地図を「読む」ということは,ただ単純に「どこになにがあるか」という見方のことではありません.地図から見える風景を読み解いて,その地の成り立ちや歴史,自然のようすや人の暮らしまでもがわかる過程を楽しみます.「地図を読む」ことができれば,旅や散歩も,よりたくさんの素敵な発見ができることでしょう.
本書では,25000分の1の地形図とステレオ空中写真を使って,まずは地図の基礎的な読み方を学びます.そして,沖縄のサンゴ礁の島,東京の街中,奈良の古墳がある丘,干拓地や海岸,河川,富士山の頂上など,さまざまな風景を読んでみましょう.


目次

はじめに
空中写真をステレオ観察(実体視)する方法
1 地図の基礎――勝浦
  初めて地図を読む/地図と写真/駅から読み始める/道をたどってみる/町のようす/橋と川/港/岬に向かう/等高線を読んでみる/崖をつくるもの/三角点をさがす/燈台から記念碑まで/地図から位置を求める/もう一度写真を見る
2 海岸の砂丘――浜岡
  いろいろな海岸線/御前崎の台地/砂丘の列/砂丘の向きと風の向き/台地に吹き上げられた砂丘/浜岡砂丘の風/現地訪問
3 サンゴ礁の島――黒島
  サンゴの海の風景/低くて平坦な島/サンゴ礁のできかた/サンゴ礁の構造を読む
4 干潟の干拓地――皿垣開
  干潟といのち/景観をつくる川の力/有明海にそそぐ筑後川/世界の巨大な三角州/干拓で開かれた土地/干拓地の風景
5 干拓地の都市化――東陽・新砂
  埋め立てられた河口と干潟/ゼロメートルよりも低い土地/空から見た埋立地の表情/地図にみる歴史の重み
6 都会の中の台地と低地――上野
  市街地に隠れた等高線/上野の山/台地の風景/江戸の成り立ちと台地/一万分の一地形図にみる上野公園
7 古墳のある丘――奈良
  平城京のおもかげ/歴史のかおる奈良公園/丘のへりに並ぶ古墳群
8 川をくぐる鉄道――棚倉
  木津川の流れ/堤防の表わし方/川が運んできた土砂がたまると/川の下のトンネル/扇状地の地形図
9 穴だらけの台地――秋吉台
  日本最大の石灰岩台地/台地の広がり方/無数のでこぼこ/でこぼこの地形の成因/石灰岩の鉱山
10 河川をたどる――赤川
  赤川七五キロの旅/謎のひそむ大鳥池/赤川上流部/生きた川と死んだ川/次々に変化する川の姿/日本海にそそぐ赤川/尾瀬の風景
11 日本一高い火山――富士山
  山の等高線/いろいろな斜面のかたち/富士山の山頂/富士山の本当の高さ/けわしい山頂の地形/浅間山の姿
12 高山の地形――剱岳
  剱岳の姿/地形図から山の姿を読む/険しい山の地形/氷河がつくった地形/槍ヶ岳の姿


著者略歴

五百沢智也(いおざわ ともや)
1933年山形生まれ.
1940年より地形図を持って山歩きを始める.1954年,空中写真判読で日高の沢へ入る.この年,開聞岳から利尻山まで各地の山へ230日登る.1956年1月,守門山で風雪にまかれ,命がけの読図で疲労凍死寸前に生還.1957年1月,北岳バットレス第3,第4尾根登攀.3月,八ヶ岳旭岳東稜初登,東京教育大学理学部卒業,5月魚沼水無川シン沢単独溯行,7月より建設省地理調査所勤務.1970年退職まで空中写真撮影,写真判読,編集,図式設計などに従事.1960年6月芦別岳第1尾根で墜落,全身打撲・脳挫傷となり療養.1962年槍穂高山域で最低位の堆石堤群を発見し,以後日本の氷河地形の再検討を続ける.1970年名古屋大学樋口敬二教授と“ATLAS OF PERENNIAL SNOW PATCHES IN CENTRAL JAPAN”を出版.現在まで13回のヒマラヤ山域調査行を重ねる.
主な著書として『新・歩いて見よう東京』(岩波書店),『ヒマラヤトレッキング』(山と渓谷社),『鳥瞰図譜・日本アルプス』(講談社),『山と氷河の図譜』(ナカニシヤ出版)がある.


川の地形と等高線(図:五百沢智也)


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