これはアンリ・カルティエ=ブレッソンと親しい者なら誰もが,よく耳にする言葉であり,あまりに頻繁に繰り返されるため,尋ねられた側は思わず茶化したくなるほどなのだ.しかしそんな愛すべき逸話以上に,今私たちが問題とすべき質問はこうだろう.「つまりいったい何者なのだ!」…(中略)… わたしたちの願いは,写真史にとってもっとも輝かしい財産のひとつであり,伝統に身をうずめることを良しとせず,今もその手を休めることのない男を支えてづけている活力を総動員し,「アンリ・カルティエ=ブレッソン,つまりいったい何者なのだ?」の問いかけに答えることなのだ.
ロベール・デルピール (アンリ・カルティエ=ブレッソン財団代表) |