世界金融危機
サブプライム破綻,石油の高騰,深刻化する食糧不足.これは世界大恐慌の再来か? 現状を詳細に解説.
サブプライム・ローンに端を発する金融破綻.そこに,石油高騰・食糧難が拍車をかけ,グローバル化した世界経済が同時に危機を迎えている.30年代の大恐慌を彷彿とさせる現在の状況,はたして何が起こっているのか? 基幹エネルギーの転換は? 温暖化対策は? そしてこの先,どうなるのか?
■著者からのメッセージ
今年の第2四半期,日本経済はマイナス成長に入った.「いざなぎ超え」と呼ばれた「景気回復」が,実感のないまま終焉を迎え,不気味な不安が人々を襲っている.これだけ格差が拡大しているもとで,景気後退が進んでいったら,一体どうなるのか――そう考えれば,不安に襲われるのは当然だろう.しかし,問題はそれだけだろうか.その背後には,これは通常の不況ではなく,深く長い不況になるという漠然とした予感が眠っているのだ.
実際,世界経済の中心である米国が,戦後最大の金融危機に陥っている.9月に入り,リーマンブラザーズが倒産し,メリルリンチが買収され,AIGが政府管理下に入った.しかも不況は欧州諸国にも及び始め,しだいにグローバル同時不況の様相を呈しつつある.日銀も19兆円のドル拠出を発表した.これは一つの危機なのだ.
本書の目的は,そのメカニズムを解剖することである.まずこの金融危機の根源は,証券化という手法と「影の銀行システム」の崩壊にある.つぎに,信用収縮と景気減速の悪循環のプロセスが金融危機を進行させている.さらに,この金融危機が深刻なのは,地球温暖化に伴うエネルギー転換の波が重なっていることにある.これらの要因が複合して,グローバル同時不況をもたらしつつあるのだ.
本書を読めば,具体的な統計数字と情報によって,上記のプロセスが確実に進行していることがわかるだろう.だが,ひるがえって日本経済は,こうした状況に対応できるのだろうか.残念ながら,小泉「構造改革」という「政治のバブル」に酔っていたツケが,これから猛烈に日本経済を襲ってくる.にもかかわらず,真剣な反省は見られない.早急に政策転換を実現しなければ,日本経済は死へ向かって突き進むしかないだろう.
■著者からのメッセージ
今年の第2四半期,日本経済はマイナス成長に入った.「いざなぎ超え」と呼ばれた「景気回復」が,実感のないまま終焉を迎え,不気味な不安が人々を襲っている.これだけ格差が拡大しているもとで,景気後退が進んでいったら,一体どうなるのか――そう考えれば,不安に襲われるのは当然だろう.しかし,問題はそれだけだろうか.その背後には,これは通常の不況ではなく,深く長い不況になるという漠然とした予感が眠っているのだ.
実際,世界経済の中心である米国が,戦後最大の金融危機に陥っている.9月に入り,リーマンブラザーズが倒産し,メリルリンチが買収され,AIGが政府管理下に入った.しかも不況は欧州諸国にも及び始め,しだいにグローバル同時不況の様相を呈しつつある.日銀も19兆円のドル拠出を発表した.これは一つの危機なのだ.
本書の目的は,そのメカニズムを解剖することである.まずこの金融危機の根源は,証券化という手法と「影の銀行システム」の崩壊にある.つぎに,信用収縮と景気減速の悪循環のプロセスが金融危機を進行させている.さらに,この金融危機が深刻なのは,地球温暖化に伴うエネルギー転換の波が重なっていることにある.これらの要因が複合して,グローバル同時不況をもたらしつつあるのだ.
本書を読めば,具体的な統計数字と情報によって,上記のプロセスが確実に進行していることがわかるだろう.だが,ひるがえって日本経済は,こうした状況に対応できるのだろうか.残念ながら,小泉「構造改革」という「政治のバブル」に酔っていたツケが,これから猛烈に日本経済を襲ってくる.にもかかわらず,真剣な反省は見られない.早急に政策転換を実現しなければ,日本経済は死へ向かって突き進むしかないだろう.
(「はじめに」より)
はじめに グローバル同時不況の危うさ
第一章 「影の銀行システム」の崩壊
第二章 つぎの津波がやってくる
第三章 ガス欠とオーバーヒート
第四章 世界は壊れそうだ
おわりに 脱出口を見失った日本
第一章 「影の銀行システム」の崩壊
第二章 つぎの津波がやってくる
第三章 ガス欠とオーバーヒート
第四章 世界は壊れそうだ
おわりに 脱出口を見失った日本
金子 勝(かねこ・まさる)
1952年生まれ.経済・財政学者.東京大学大学院経済学研究科博士課程修了.現在,慶應義塾大学経済学部教授.著書に『反ブッシュイズム1~3』(岩波ブックレット,共著),『閉塞経済』(ちくま新書),『地域切り捨て』(岩波書店,共編著),『環境エネルギー革命』(アスペクト,共著),『戦後の終わり』(筑摩書房),『粉飾国家』(講談社現代新書)など多数.
アンドリュー・デウィット(Andrew DeWit)
1959年カナダ生まれ.政治経済学者.立教大学経済学部教授.ブリティッシュ・コロンビア大学政治学博士.下関市立大学経済学部助教授を経て現職.共著に『反ブッシュイズム1~3』(岩波ブックレット),『メディア危機』(NHKブックス),『環境エネルギー革命』(アスペクト).
1952年生まれ.経済・財政学者.東京大学大学院経済学研究科博士課程修了.現在,慶應義塾大学経済学部教授.著書に『反ブッシュイズム1~3』(岩波ブックレット,共著),『閉塞経済』(ちくま新書),『地域切り捨て』(岩波書店,共編著),『環境エネルギー革命』(アスペクト,共著),『戦後の終わり』(筑摩書房),『粉飾国家』(講談社現代新書)など多数.
アンドリュー・デウィット(Andrew DeWit)
1959年カナダ生まれ.政治経済学者.立教大学経済学部教授.ブリティッシュ・コロンビア大学政治学博士.下関市立大学経済学部助教授を経て現職.共著に『反ブッシュイズム1~3』(岩波ブックレット),『メディア危機』(NHKブックス),『環境エネルギー革命』(アスペクト).
書評情報
日刊ゲンダイ 2008年11月26日
ジャーナリスト 2008年11月25日号
週刊東洋経済 2008年11月22日号
毎日新聞(夕刊) 2008年11月21日
東洋経済日報 2008年11月21日号
産経新聞 2008年11月14日
週刊文春 2008年11月13日号
朝日新聞(朝刊) 2008年11月9日
読売新聞(朝刊) 2008年10月25日
サンデー毎日 2008年10月19日号
日本経済新聞(朝刊) 2008年10月17日
ジャーナリスト 2008年11月25日号
週刊東洋経済 2008年11月22日号
毎日新聞(夕刊) 2008年11月21日
東洋経済日報 2008年11月21日号
産経新聞 2008年11月14日
週刊文春 2008年11月13日号
朝日新聞(朝刊) 2008年11月9日
読売新聞(朝刊) 2008年10月25日
サンデー毎日 2008年10月19日号
日本経済新聞(朝刊) 2008年10月17日