岩波講座 哲学 全15巻

目次

フロントへ
編集委員からのメッセージ


書誌データへ

知の座標軸
12名の編集委員の揃い踏み.現代の問題状況に深く切り込み,哲学の面白さをダイナミックに打ち出す.中心も座標も失われたこの時代に,流動的・可塑的でありながら,問題の根本に触れる〈哲学する〉ことを提示.

第1巻
いま〈哲学する〉ことへ
はしがき
I 理性/ロゴスの再生
1 名づける,喩える,書き換える 中畑正志(京都大)
2 理性と非理性 伊藤邦武(京都大)
3 科学のナラトロジー
 ――「物語り的因果性」をめぐって
野家啓一(東北大)
4 技術への問い
 ――技術の創造性と日本の近代化
村田純一(東京大)
II 日本語で哲学すること
1 「見る」と「見える」
 ――日本語から哲学へ
飯田 隆(慶応大)
2 日本発の哲学
 ――その可能性をめぐって
末木文美士(東京大)
III 他者・あいだ・公共性
1 他性と超越
 ――〈他なるもの〉への問い
熊野純彦(東京大)
2 あいだ哲学論考 篠原資明(京都大)
3 公共性の哲学と哲学の公共性 井上達夫(東京大)
IV 哲学の現場/現場の哲学
1 経験批判としての臨床哲学 中岡成文(大阪大)
2 現場に臨む哲学の可能性 清水哲郎(東京大)
3 “不条理な苦痛”と「水俣の傷み」
 ――市井三郎と最首悟の〈衝突〉・覚え書
川本隆史(東京大)

▲ページの先頭へ

哲学の求心力
「日本の哲学」の学問としてのレヴェルを如実に示す.存在論・認識論・論理学・美学など,哲学の伝統的な部門構成に沿いながら,蓄積された知的財産の検証を行うとともに,そこに包摂された問題群を現代的観点から問い直す.

第2巻
形而上学の現在
展望 形而上学は現在する 中畑正志
I 形而上学の核心
1 なぜ世界は存在するのか 永井 均(日本大)
2 「形而上学」の死と再生 鈴木 泉(東京大)
3 もの/こと,個体/普遍 坂下浩司(南山大)
4 必然・可能・現実 三浦俊彦(和洋女子大)
II 形而上学の現代的位相
1 出来事と因果 柏端達也(千葉大)
2 無の場と創造性 田中 裕(上智大)
3 決定論と自由 美濃 正(大阪市立大)
4 曖昧性のメタフィジックス 一ノ瀬正樹(東京大)
探究 形而上学は(なぜ)批判されなければならないか? 斎藤慶典(慶応大)
【概念と方法】 大木 崇・大塚 淳・周藤多紀・西村正秀・早瀬 篤・三谷尚澄
【テクストからの展望】 大木 崇・周藤多紀・西村正秀・三谷尚澄・吉沢一也

第3巻
言語/思考の哲学
展望 記号と論理の風景 飯田 隆
I 言語と思考の基底にあるもの
1 指示と意図 松阪陽一(首都大)
2 真理の理論 津留竜馬(日本大)
3 推論と意味 斎藤浩文(滋賀大)
4 会話とレトリック 三好潤一郎(日本学術振興会)
II 言語と思考の諸相
1 言語の起源/起源の言語 篠原成彦(信州大)
2 日本語の意味論と自然言語の論理 峯島宏次(慶応大)
3 数学の方法,哲学の方法 中川 大(北海道教育大)
4 虚構論 清塚邦彦(山形大)
探究 ウィトゲンシュタイン的観点から 関口浩喜(福岡大)
【概念と方法】 哲学のための論理学入門 村上祐子
【テクストからの展望】 各論考の筆者たちによる文献案内

第4巻
知識/情報の哲学
展望 知識/情報のインターフェイスへ 中岡成文
I 知の起源と挑戦
1 日常生活と知識 安彦一恵(滋賀大)
2 知識の委譲とリスク社会 紀平知樹(大阪大)
3 〈認識の非自然性〉を頌えて 金森 修(東京大)
4 知の創発性 納富信留(慶応大)
II 知の脈動とネットワーク
1 ローカルナレッジと専門知 藤垣裕子(東京大)
2 認知行為システム 河本英夫(東洋大)
3 知の制度化 松葉祥一(神戸市看護大)
4 リアルとヴァーチャル 奥田太郎(南山大)
探究 エクスターナリズム 戸田山和久(名古屋大)
【概念と方法】 河村 厚・紀平知樹・蔵田伸雄・米虫正巳・柘植尚則
【テクストからの展望】 河村 厚・米虫正巳・柘植尚則

第5巻
心/脳の哲学
はしがき
展望 心身問題の現在 村田純一
I 心身問題の起源と展開
1 魂の発見
 ――いつ誰がどのようにして
高橋久一郎(千葉大)
2 魂から心へ
 ――自然=記号としての「我思う,ゆえに我あり」
植村恒一郎(群馬県立女子大)
3 心から脳へ
 ――心的因果は本当に成り立つのか?
金杉武司(高千穂大)
4 脳から身体・環境へ
 ――エコロジカル・アプローチと拡張した心
河野哲也(立教大)
II 心身問題の諸相
1 感覚・知覚・行動
 ――認識モデルと知覚の理論をめぐって
長滝祥司(中京大)
2 言語による思考の臨界
 ――思考・記憶・イメージ
信原幸弘(東京大)
3 機能する感情・幻想する感情 柴田正良(金沢大)
4 心・脳・機械
 ――脳科学技術の現在
石原孝二(東京大)
探究 心/脳の哲学の未来
    
――生態学的観点から
染谷昌義(高千穂大)
【概念と方法】 鈴木貴之
【テクストからの展望】 谷川多佳子・鈴木俊洋・原 塑

第6巻
モラル/行為の哲学
展望 原型と変容 熊野純彦
I モラル/行為論の原型
1 テオーリア,プラクシス,ポイエーシス 高橋雅人(神戸女学院大)
2 行為とはなにか 門脇俊介(東京大)
3 理性と普遍性 城戸 淳(新潟大)
4 自然形而上学と倫理 藤村安芸子(駿河台大)
II モラル/行為論の変容
1 コミュニケーション・トラブル 本間直樹(大阪大)
2 欲望する生産のモラル 荒谷大輔(江戸川大)
3 法と他者 冠木敦子(桜美林大)
4 ポイエーシス概念の変容をめぐって 大澤真幸(京都大)
探究 他なるものと倫理 麻生博之(東京経済大)
【概念と方法】 馬渕浩二・佐々木雄大・中 真生
【テクストからの展望】 馬渕浩二・三重野清顕・宮村悠介

第7巻
芸術/創造性の哲学
展望 芸術の生成をめぐって 篠原資明
I 創造性の諸様態
1 存在と無の〈あいだ〉 澤田 直(白百合女子大)
2 想像力と形 北村知之(福井県立大)
3 美学的カテゴリー論再考 岡田温司(京都大)
4 受け手の役割 北村清彦(北海道大)
II 創造性の再検討
1 メディアとジャンルの越境と横断 大塚直子(京都造形芸術大)
2 危機の時代とアート 神野真吾(千葉大)
3 芸術の方法と方法の芸術 中ザワヒデキ(美術家)
4 世界の中の日本美学 Michael Marra(UCLA)
探究 現前と痕跡 山内朋樹(京都大)
【概念と方法】 古賀純子・若林雅哉・加藤素明・北村知之・前川 悠・神野真吾・蘆田裕史
【テクストからの展望】 加藤素明・若林雅哉・北村知之・ 古賀純子・蘆田裕史・岡本源太・ 大塚直子・前川 悠

▲ページの先頭へ

哲学の遠心力
哲学への問いと,寄せられる期待とに応答を試みる.環境・技術・公共性・性など,私たちが直面している人類的課題を,旧来の歴史哲学や宗教哲学などの領域区分と交差させ,隣接諸科学との対話を通して考察を深める.

第8巻
生命/環境の哲学
展望 多様な切り口をどう組み合わせるか 清水哲郎
I 〈ミクロ〉と〈マクロ〉の狭間で
1 西洋医学における死生観の展開 小松美彦(東京海洋大)
2 遺伝子論 横山輝雄(南山大)
3 環境世界論 井上有一(京都精華大)
4 つかのまこの世にある私/私たち 品川哲彦(関西大)
II 〈見る〉ことと〈働きかける〉こととの狭間で
1 生命操作の論理と倫理 霜田 求(大阪大)
2 医療・介護/介助のシステムと人間の倫理 八幡英幸(熊本大)
3 環境破壊をめぐる言説の現場から 鬼頭秀一(東京農工大)
4 生活空間としてのコミュニティをどう治めていくか 桑子敏雄(東京工大)
探究 私/世界を生命/環境として捉えると何が出てくるか 檜垣立哉(大阪大)
【概念と方法】 小林 睦
【テクストからの展望】 竹之内裕文

第9巻
科学/技術の哲学
展望 「科学/技術の哲学」の伝統と未来 伊藤邦武
I 科学/技術を分析する
1 科学的説明の構造 中才敏郎(大阪市立大)
2 理論と実験・ゆらぐ二項 出口康夫(京都大)
3 エンジニアリングと真理 斉藤了文(関西大)
4 自然と人工の世界 西垣 通(東京大)
II 科学/技術を批判する
1 「真理」への欲望 須藤訓任(大阪大)
2 科学の客観性・技術の普遍性 齋藤直子(京都大)
3 科学技術と悪 古東哲明(広島大)
4 宇宙技術の価値 直江清隆(東北大)
探究 科学技術化した社会を生きるということ 小林傳司(大阪大)
【概念と方法】 松王政浩
【テクストからの展望】 久米 暁

第10巻
社会/公共性の哲学
展望 社会の脆さと公共性の危うさ
     ―哲学はいかに立ち向かうのか
井上達夫
I 「個と社会」の不確かさ
1 社会は存在するか 杉田 敦(法政大)
2 個人はいかにして存在するか 森村 進(一橋大)
3 社会契約説の虚と実 下川 潔(学習院大)
4 社会規範・法・倫理の葛藤と相補性 鳥澤 円(関東学院大)
II 不確かな社会における公共性
1 公私区分の脱構築の後 齋藤純一(早稲田大)
2 リスク社会における公共性 中山竜一(大阪大)
3 グローバルな公共性はいかにして可能か 橋本 努(北海道大)
4 市民的公共性の神話と現実,そして希望 谷口功一(首都大)
探究 正義・最小限真理・公共的理由
     ―多元的世界における公共性の哲学
井上 彰(東京大)
【概念と方法】 横濱竜也
【テクストからの展望】 宇野重規

第11巻
歴史/物語の哲学
展望 歴史を書くという行為―その論理と倫理 野家啓一
I 歴史というトポス
1 西欧(オクシデント)の歴史意識 三島憲一(東京経済大)
2 「オリエント」の歴史意識 大塚和夫(東京外語大)
3 歴史の必然性について 北川東子(東京大)
4 歴史科学における因果性と法則性 伊勢田哲治(名古屋大)
II 歴史の解体と再構築
1 「言語論的転回」以後の歴史学 小田中直樹(東北大)
2 物語と人と現実のもう一つの関係 春日直樹(大阪大)
3 マイノリティの歴史学 森 明子(民族学博物館)
4 昭和の歴史意識をめぐって 苅部 直(東京大)
探究 9.11以後,歴史を語ること 鹿島 徹(早稲田大)
【概念と方法】 貫 成人
【テクストからの展望】 宮坂和男・横地徳広

第12巻
性/愛の哲学
展望 性愛から性/愛へ 川本隆史
I 思想史の在庫点検
1 フィリア・エロース・アガペー 神崎 繁(専修大)
2 非西洋圏における性と愛 坂元ひろ子(一橋大)
3 近代思想における愛の虚偽 岡野八代(立命館大)
4 ダーウィニズムとフロイディズムの功罪 榑沼範久(横浜国大)
II 性/愛の問題圏
1 性・生殖・次世代育成力 小泉義之(立命館大)
2 社会的排除と親密圏 金井淑子(横浜国大)
3 性の商品化・自己決定権・性的少数派 田村公江(龍谷大)
4 老いと介護の倫理 池上哲司(大谷大)
探究 性/愛はいかにして可能か
     ―エロスの問いを探究する探究
後藤浩子(法政大)
【概念と方法】 加藤秀一
【テクストからの展望】 水溜真由美

第13巻
宗教/超越の哲学
展望 超えるということ 末木文美士
I いま宗教は?
1 「語りえぬもの」をめぐって 野矢茂樹(東京大)
2 「無」の陥穽 小林敏明(ライプツィヒ大)
3 ポスト形而上学時代における政治的「無神論」 柴田寿子(東京大)
4 「神なき神」の回帰 永井 晋(東洋大)
II 精神の古層へ
1 神話/儀礼/王権 彌永信美
2 理性と信仰 川添信介(京都大)
3 論理と体験 上田 昇(目白大)
4 争点としての〈デ・アニマ〉 中島隆博(東京大)
探究 信仰の風光
     ―キリスト教神学にもとづく聖霊の解明
阿部仲麻呂(上智大)
【概念と方法】 西平 直
【テクストからの展望】 前川健一・飯田篤司

▲ページの先頭へ

知のヒストリア
哲学史はどのようにして成り立つのか.この根本の問いに立ち帰って,西洋に偏した哲学史に非西洋の視点から風穴を開けることを企て,あわせて制度やメディアやジェンダーなどの多様な光源から,「哲学の現在」を照らし出す.

第14巻
哲学史の哲学
I 哲学史はいかにして可能か
1 フィロソフィアの普遍性と特殊性 坂部 恵
2 西欧における「哲学史」の成立 福谷 茂(京都大)
3 哲学のエスノセントリズム 岩崎 稔(東京外語大)
4 比較という方法 橋 (ウィーン大)
5 世界哲学史の可能性 嶋田義仁(名古屋大)
II 哲学史を読み直す
1 プラトニズムとは何であったか 小池澄夫(滋賀大)
2 認識論史の終焉 冨田恭彦(京都大)
3 詩と哲学 伊藤博明(埼玉大)
4 イスラーム哲学からの視座 山内志朗(慶応大)
5 日本における「哲学」の受容 藤田正勝(京都大)
【テクストからの展望】 各論考の筆者たちによる文献案内

第15巻
変貌する哲学
はじめに  
I 哲学への/からの挑戦
1 哲学のプラクティス 鷲田清一(大阪大)
2 アジアからの問題提起 村田雄二郎(東京大)
3 哲学とジェンダー 和泉ちえ(千葉大)
4 自然主義からの“挑戦” 大庭 健(専修大)
5 自然主義の限界と哲学の役割(認識論の側面から) 小林道夫(京都大)
II 哲学のコンテクスト
1 「東洋思想」の発見 黒住 真(東京大)
2 翻訳というフィルター 酒井直樹(コーネル大)
3 制度としての哲学教育 宗像 恵(神戸大)
4 情報とメディアの中の哲学 黒崎政男(東京女子大)
5 哲学とその境界 加藤尚武(東京大)

▲ページの先頭へ




Copyright 2008 Iwanami Shoten, Publishers. All rights reserved. 岩波書店