計算と宇宙 〈岩波講座 計算科学2〉


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編集部だより
著者からのメッセージ

 科学において計算は,一つの哲学とダイナミズムをもち,実験,理論に並ぶ第三の柱として確立した.本講座「計算科学」では,21世紀の基盤科学である計算をはじめて体系化し,今後を展望する.
 第2巻『計算と宇宙』では,宇宙の成り立ちと歴史を支配する物理法則とその帰結についての最先端の理解を語る.
 我々の住む宇宙は,約137 億年前に誕生したと考えられている.誕生直後の宇宙は超高温・超高密度の素粒子のプラズマ状態であったが,時間の経過と宇宙の膨張に伴って温度・密度が低下し,水素やヘリウムなどの軽元素が合成された.さらに時間が経過すると共に,密度揺らぎが重力により成長し,星や銀河,さらには宇宙の大域的構造を形成し,またその間には超新星爆発などを通じて重元素を生成しつつ,今日の宇宙の姿となったのである.
 こうした宇宙を理解するために重要なテーマを取り上げて計算の果たす本質的な役割,方法,成果を説明し,さらに将来への展望を述べる.


著者紹介

宇川 彰(うかわ あきら)
筑波大学副学長・理事

青木慎也(あおき しんや)
筑波大学大学院数理物質科学研究科物理学専攻教授

初田哲男(はつだ てつお)
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授

柴田 大(しばた まさる)
京都大学基礎物理学研究所教授

梅村雅之(うめむら まさゆき)
筑波大学計算科学研究センター教授

西村 淳(にしむら じゅん)
高エネルギー加速器研究機構准教授


目 次

第1章 はじめに――宇宙の理解と計算の役割
1 自然法則と基本方程式
2 基本方程式と計算
3 基本方程式の数値解法とスーパーコンピュータ
4 本巻の構成
5 単位と記号
第2章 宇宙の構成要素と宇宙の歴史
1 素粒子の標準理論
2 宇宙の標準理論
第3章 時空格子上のクォークとグルオンからハドロンへ
1 序論:ハドロンとクォーク
2 格子上のグルオンとクォークの閉じ込め
3 格子上のクォークとカイラル対称性の自発的破れ
4 ハドロン質量の計算
第4章 クォークからハドロン・原子核へ
1 QCDの三態
2 クォーク・グルオン・プラズマ
3 ハドロンと原子核の形成
4 核力と原子核構造
5 高密度物質と中性子星
6 おわりに
第5章 星の一生と終末
1 天体を支配する法則
2 星を支配する法則
3 星の形成過程
4 恒星の進化と終末
5 重い恒星の死と超新星爆発
6 ブラックホールの形成と数値相対論
第6章 第一世代天体と銀河の形成
1 宇宙晴れ上がり期における密度ゆらぎ
2 密度ゆらぎの非線形成長の解法
3 第一世代天体形成
4 第二世代の星形成
5 宇宙再電離
6 銀河形成
7 おわりに
第7章 宇宙の始まりと超弦理論
1 超弦理論とは
2 ブラックホールの内部構造
3 宇宙の創成
4 おわりに

付録A ハイブリッドモンテカルロ(HMC)法の詳細
付録B 共役傾斜(CG)法のアルゴリズム
付録C 圧縮性流体力学・磁気流体力学における方程式
付録D 重力計算法
付録E SPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法
付録F 輻射輸送方程式の数値解法
参考文献
索 引




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